読書記録 006 [GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時」

書籍名:GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時

著者 :アダム・グラント

出版社:三笠書房

購入動機:ハーバードビジネスレビュー誌のグラント先生の記事を読んで興味が沸いたのでその原著を購入してみました。結果、大満足な内容でした!!

 

気づき3点。

 

1.人をGIVER、MATCHER、TAKERという3タイプに分けるという考え方

 

この本で最も鮮やかなのは、論旨が明確なことで、人は、GIVERとして振舞うことが一個人としても組織としても成功するという点です。本書を読み進めながら、GIVERは●●さん、MATCHERは▲▲さん、TAKERは■■さんというように、自分の身の回りにいる実在の人物の顔を思い浮かべながら、「はは~、▲▲さんが常にGIVE&TAKEを計算するMATCHERとして振舞うのはこういう理由だったのだな、確かに■■さんは自分のことしか考えない振舞いをするからTAKEREだ、常に人のことを第一に考えて行動するGIVERの●●さんは・・・」なんて、楽しく読み進めることができました。

 

2.アダム・グラントという天才と同じ時代に生きるということ

 

著者のAdam Grant先生はペンシルべニア大学ウォートン校の組織心理学者です。20代で同大学の史上最年少終身教授になったという天才です。しかし、当のご本人は極めて茶目っ気たっぷりのユーモラスな方です(という風に私には見えます)。グラント先生は自らをGIVERと言っています。世の中で最も成功する人はGIVERだと言っている一方で、最も失敗する人もGIVERだと言っています。失敗するGIVERが成功するGIVERになるには?に焦点を当てているグラント先生は世の中の報われないGIVER(少し前の私もそうだったかも・・・)に希望の光を当ててくれています、感謝!!

 

3.本としての価値が高い

 

本書の特徴は膨大な心理学的側面のデータを活用し、丁寧に論理展開されていることです。世界のトップの頭脳が書く本はいずれも同様な論理展開をしていくのですが(私の好きなリンダ・グラットンも然り)、その中でも本書は際立っている印象を持ちました。つまり、主題であるGIVERの「与える」という極めて曖昧さのある定量性が不確かかつ論理的な説明の難しい行為について、私のようなお馬鹿でも理解できるように平易に説明してくれているのです。要するに、難しいことを分かりやすく説明してくれているのです。この点も本書の見逃せない部分の一つです。

 

 

 

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読書記録 006 [GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時」” に対して4件のコメントがあります。

  1. モンチ より:

    日々、成功するGIVERについて考えています。
    しかし、その打算的な考えが成功しないGIVERまたは単純にMATCHERになっているのではと感じます。
    結局、成功という結果が出ない限り、最も成功するGIVERになることはなく、本当にこのままでいいのかと不安になる今日この頃です。

  2. 采々 より:

    モンチ様
    コメントありがとうございます!!
    日々考えているんですね、すごい!!
    仰っていること、良く分かります。

    私は、成功する・しないを意識せず、まずは単純にGIVERで良いのではと思っています。そうやってGIVEばかりしていくと、いずれ自分の時間がなくなったりTAKERに食い物にされる「人に利用されるだけのGIVER」の道を進む可能性があります。そこに気づいた時にGRANT先生の言う「気遣いの報われるGIVER」になり、結果的にそれが「成功するGIVER」になれば幸せだと思います。

    個人の「成功」の定義にもよりますが、モンチさんも私もそれぞれで思っていることは間違っていないと思います。

    成功する前には皆同じように不安になるようです。そして、成功した後も気を緩めないことが肝要のようです。

    1. モンチ より:

      采々様

      ロックフェラー財団創始者のジョン・ロックフェラー氏は、初任給をもらってから給料の6%を教会に寄付しており、それを続けたことが成功の要因の1つだと言っていた気がします。
      日本と海外では、寄付に対する考え方が違うので、成功するGIVERの在り方も少し違うのかもしれないと思っています。
      「成功する前には不安になり、成功した後も気を緩めない」、大変いいことを聞きました。日々精進したいと思います。

      1. 采々 より:

        モンチ様

        いつもコメントありがとうござます!!

        寄付の件、興味深いですよね。本の中にも同じようなくだりがいくつか出てきます。その成功したGIVERはいずれもあの時の●●が成功の要因だと回想しています。

        我々も、今行っていることが(不安が付きまとっているのですが・・・)、いずれ振り返った時に成功の要因だったと言えるようになりたいですね!!

        お互い精進しましょう!!

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