化学物質管理に係る専門家検討会

今回は化学物質管理に係る専門家検討会について簡単ですがアウトプットしてみたいと思います。

 

去る9月1日、第1回化学物質管理に係る専門家検討会が開催されました。一般にも公開されることになっていたためチャンスがあれば聴講しようと思っていましたが、やんごとなき事情により叶いませんでした・・・。

 

聴講していないため、詳細は公開資料からしか類推できませんが、この検討会はいわゆる化学物質の自律管理に向けた流れの一つです。検討会の主旨は化学物質管理に係る専門家検討会開催要綱をみていただければ分かります。構成員も早々たるメンバーなので、しっかり議論が進められるのだろうと思います。

 

今後、化学物質の自律管理の流れが加速していくことになります。しかし、その在り姿が今法令改正の主旨を反映した正しいものになるのか、形骸化された従来路線を踏襲するものになるのか、はたまた、悪いものになるのか、など、はっきり言って現段階では分かりません。これまでも述べてきたように、ガイドラインのようなものは出ないでしょう(むしろ、出さないでほしいっ!!)。

 

そうなると専門家の役割が大事となる訳です。これは何も化学物質管理専門家という枠のことだけを言っている訳ではなく、さらに広い観点からの化学物質管理という意味です。

 

その意味から、専門家になろうと(その資格を得ようと)頑張っておられる方も中にはおられると思います。ただ、大事なのは「何を成すべきか」です(※1)。これを見誤ってはなりません。

 

※1:資格取得に意味が無いということではありませんから誤解の無いように。

 

「成すべきこと」を「成すため」に「資格」が必要という面もありますし、「資格」を得てはじめて「成すべきこと」がようやく見えてくるという側面もあります。卵が先か鶏が先かという議論に似ていますが、繰り返しますが、大事なのは「何を成すべきか」です。今、自律管理せよという段階にきている訳ですから。

 

そして、資格という側面で考える場合、少し辛口に言うなら、オキュペイショナルハイジニスト(OH)にあって労働衛生コンサルタントに無いものを、労働衛生コンサルタントは意識しないといけません。化学物質管理専門家としての両者の実務経験年数の差がそもそも何で生じているのか?を考えよ、ということです(※2)。

 

※2:化学物質管理専門家の要件はまだ最終化されていませんが、ここではあり方検討会報告書での議論をベースにしていますので、誤解の無いようにお願いします。

 

その違いが、この化学物質管理に係る専門家検討会で検討されるべき項目の一要素であると思います(何のことを言っているのか分からないかもしれませんが、分かりにくいように表現しているので、皆さんで類推して下さいませ、お馬鹿なので文章が下手という説も大ありですが・・・(久々に汗))。

 

その違いが分かったからと言って、安易にOHを取得しよう!!、というのは安易すぎるという気が個人的にはしますのです。

 

とにかく、「何かを成したい」と思っている方は、本検討会の動向は要ウォッチだと思います!!

 

ということで、今日はここまで。

 

 

 

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化学物質管理に係る専門家検討会” に対して5件のコメントがあります。

  1. EZ より:

    采々様
    いつも更新を楽しみにしています。
    私は、社内教育の視点で化学物質専門家育成のためにOHを調べてみました。webサイトによると「本制度は、わが国の労働衛生分野の法令に基づく資格である第1種作業環境測定士、労働衛生コンサルタントまたは衛生工学衛生管理者として5年以上の実務経験を有する方々に、・・・」とありOHになるのに実務経験が必要なようです。したがって、労働衛生コンサルタントで5年の経験を経ることで「専門家」とされる以上、コンサルタントがOHの資格を取得するのは93単位の勉強をすること以外意味をなさないようです。衛生工学衛生管理者では8年の実務経験で専門家とされるのが、5年の実務経験+93単位取得に約1年(途中で受けられるかもしれません。)となり、2-3年早く専門家認定されるメリットがあると思います。

  2. 采々 より:

    EZ様
    いつもコメントありがとうございます!!
    OHのコンサルに対しての優位性はご指摘の90講座以上の勉強だと私も思っています。そしてそのポイントは講座の中身です。この講座のカリキュラムに示された内容をつぶさに見ていくと、コンサルに要求される以上の要求項目が見て取れるものがいくつかあります。これらをしっかり理解された上でOHに認定されたと仮定するなら(ここがポイントなのですが)、衛生工学のコンサルよりはそれらの要求項目について知識があるでしょう、となります。勿論、コンサルの方が優位な知識を持っている項目もあると思うので、どっちが上という議論ではないとも思います。言いたかったことは、コンサルは今に満足せず、研鑽に努めるべきということです。分かりにくくてすいません。

  3. EZ より:

    采々様
    今日官報に例の専門家に関する告示が出ていましたね。
    https://kanpou.npb.go.jp/20220907/20220907h00813/20220907h008130004f.html

    有機則・特化則の専門家は、「(コンサルタント(衛生工学)の)登録を受けた者で、5年以上化学物質の管理に係る業務に従事した経験を有するもの」と、衛生工学衛生管理者の「免許を受けたものでその後8年以上の・・・」と異なり登録の前後を問わないようですね。

    さて、私は本告示より下段の「化学物質の管理に関する講習」を受講しないといけないのですが、コンサルタントの受講免除が記載されていません。コンサルタント会の情報等お持ちではないですか?ご存じでしたらご教示ください。

  4. EZ より:

    采々様
    お疲れ様です。
    私の質問に関して、告示通達が出ており、労働衛生コンサルタント(衛生工学)は、化学物質管理者の受講免除の様です。よかったです。2日もかかるので。

    https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000987122.pdf

                                             以上

  5. 采々 より:

    EZ様
    コメントありがとうございます。また、通達情報もTHANKSです!!
    化学物質管理者についてはコンサルタント有資格の意味がしっかりあって良かったですね。安心された方も多いかもですね。

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