学習型AIを用いた労働者の健康診断結果の予測:ある企業の労働者におけるパイロット研究
産業衛生学雑誌で気になった記事を読んだ感想をアウトプットしてみたいと思います。
内田満夫ら、学習型AIを用いた労働者の健康診断結果の予測:ある企業の労働者におけるパイロット研究 産業衛生学雑誌(2021;63(3):95-98)
著者らは産業保健の観点から、ある運送会社(従業員数490名(このうち174名分のデータのみ使用)の5年分の健康診断データ12項目から、学習型AIを用いて、将来の健康診断結果の予測を行っています。
その結果、LSTMを利用した学習型AIが、健康診断結果の将来予測に利用できる可能性を示唆しています。
まとめると以上になりますが、正直に申し上げると、この研究の中身は多分2割も理解できていません・・・。
では、なぜこの記事に興味を持ったのかの理由を挙げると以下の通りです。
- 産業保健分野の研究動向を徐々に勉強していこうとしている
- AIについての理解を深めたい
つまり、労働衛生コンサルタントとして産業保健分野についても見聞、知識を広げていこうと思っておりまして、そのための勉強を細々と実施している状況だというところです。
ということで、残念ながら、報告の中身を正当に評価し得る状態には私自身はありません。しかし、やはり気になる部分というのはありまして、それを挙げると、健康診断の数値データの変動要因をどのように考えるかということです。
つまり、今回の報告は健康診断結果の数値のみを用いて、その将来予測を行っていますが、その数値は様々な要因で変動するということです。例えば、加齢、飲酒、喫煙、食習慣などです。例えば、GOT、GTP、γGTPは肝機能の指標であり、主に飲酒の影響を受けます。
この点については報告の中で著者らも指摘しており、飲酒などの指標もモデルに組み込む余地ありとしています。
私は現時点ではAIのことが全く分かっていません。ですから、「AIで予測」ということがいまいちピンときません。今回の報告でも学習型AIをある条件下で使用されており、その方法が本文にも結構な文字数で記載されていますが、ちんぷんかんぷんです。
そのAIで健康診断結果から将来のデータが分かるというのもなんだか不思議な感じがしています。ウェットな材料を用いた研究では盛んにヒトの健康に関する将来予測のようなことが行われていますが、AIを用いることで短時間に少ない労力でより高い予測精度で予測することを研究しているのだと理解しています。
今後も産業保健分野の理解を深めていくための勉強は続けていこうと思っています。