日本産業保健法学会第2回学術大会/オンライン参加 01

今回は、先週末の9月17日と18日に、日本産業保健法学会第2回学術大会にオンライン参加した感想をアウトプットします。

 

さて、先日、日本産業保健法学会に入会しました。その入会経緯記事はこちらをご参照いただくとして、このタイミングで入会した大きな理由は第2回学術大会に参加することでした。学術大会は年に1回の開催なので、今回を逃すと一年後まで待たねばなりませんから・・・。思い立ったが吉日を実践する私としてはとても待てませんのです。そして、今回の学術大会に参加したい理由は、単純にこの学会での研究領域を知りたいことと、もう一つはある講演を聴講したかったからです。

 

その講演とは「模擬裁判」。ムムム・・・、模擬裁判ってなんぞや?というある種の野次馬根性からから始まったのですが、入会を決めた後からこの講演のことがとても気になっていました。そして、実際に聴講してみた感想としては「ん~面白かった、勉強になった」ということです。

 

模擬裁判とはある架空の事例を作り、それを事業者側の弁護士&産業医と、労働者側の弁護士&産業医に分かれてディベートし、最終的にはオンライン参加の聴講者が、どちらが優勢だったかを判定するというものでした。

 

ここでの架空の事例としては産業衛生現場で実際に起きそうな内容が想定されていました。簡単に説明しますと・・・以下のような内容でした。

 

労働者XがSEとして事業者Yに雇用されているのですが、コロナ禍になりYへの業務依頼が増加したことに伴い、リーダーとしてのXの負担が増した結果、月労働時間が80hrを超え産業医面談が実施され・・・、上司Aとの折り合いが悪くなり・・・、配置転換後もあり・・・、Xは疲労やストレスを抱えると攻撃的な言動が元々あったところにこのような状況が重なりさらにYとの関係が悪化し・・・、そして休職、休職期間満了後に満了退職措置がとられ、という内容でした。これらを踏まえ、Y及び産業医はXに対して賠償責任・賃金支払義務を負うのか?が争点となったものです。

 

そして現職の弁護士と産業医が事業者側と労働者側に分かれ、それぞれの配役で計4名登場し、ディベートが実施されました。

 

率直な感想としては面白く、とても刺激的でした。勉強になった点は、弁護士はこんな風に理論構築するのだな、産業医はこういった点に配慮している/あるいは配慮できていない、のだなと言う点です。

 

そして、何より勉強になったことは「産業保健の法令絡みの問題解決の一つとして多職種連携が重要なこと」が分かったことです。学会HPにも以下の記載があります。

 

いま産業保健の現場を悩ませているのは、主にメンタルヘルス不調+生活習慣病などの働き方・生き方に深く関わる課題です。

(中略)

こうした課題の解決は、個々の専門分野のみでは難しく、現場、個人と組織を見据えた学際的な対応が求められます。

(中略)

法による産業保健の支援を図ります。特に人間と組織に関わる問題解決(未然防止と事後対応)の支援を図ります。

(以下略)

 

つまり、模擬裁判のような事例の解決には個々の専門職だけでは解決できないのです。専門職とは弁護士、産業医、主治医、会社人事、その他の産業衛生スタッフなどです。そこにはこれら専門家の連携が必要ということです。それを今回の模擬裁判を聴講して実感することができました。

 

今、私自身も労災事案に絡むことがちょくちょく出てきています。そういった観点からも、今回の多職種連携の重要性を感じた次第です。

 

そして、もう一つ勉強になったことは「私が知らない世界がそこにあったことが分かったこと」です。模擬裁判や、その他演題の法令絡みの内容の一旦にちょこっと触れたことで、こんな世界があったんだな~と実感することができました。そして、何だか悔しい思いも抱きました。この悔しいとは「こんな世界を知らなかった自分」に対する悔しさです。

 

そもそもこの学会に入会した大きな理由の一つは、ここでいう「こんな世界」についての知識を増やすことでした。それは、学会入会前は漠然としたものだったのですが、今回の模擬裁判や他講演を聴講することで「こんな世界がもう少し具体的になった」気がしたのです。それが大きな収穫でした。

 

そして、「少し具体的になったこんな世界」を体験した私は、今後、この分野についても学びを実践していく予定です。具体的には、当学会の認定資格である「産業保健法務主任者(メンタルヘルス法務主任者)」の取得を通じてますは理解を深めることを考えています。入会後から徐々にではありますが、資格取得の前提条件となる諸講座の受講を進めているところです。

 

ということで、今日はここまで。

 

 

 

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