妊娠期の母親の血中元素濃度と3歳までの子どもの体重推移について: 子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)
今回はエコチル調査の最新調査結果を簡単ですがアウトプットしたいと思います。
その調査結果は「妊娠期の母親の血中元素濃度と3歳までの子どもの体重推移について」というものです。結果概要は下記に抜粋した通りです。
国立環境研究所エコチル調査コアセンターの山崎らの研究グループは、エコチル調査の約10万人の子どもを対象に繰り返し測定された体重データを用いて、出生後から3歳までの成長パターンを解析しました。その結果、子どもの成長パターンは5つのグループに大別でき、標準的なグループに比べて小さい成長パターンを示す群が全体の約4.7%を占めることがわかりました。また、母親の妊娠中の血中元素濃度と子どもの成長パターンとの関連を解析した結果、母親の血中鉛濃度及びセレン濃度が高い場合に、子どもの成長パターンが小さくなる可能性が高まることが示唆されました。
エコチル調査については過去記事で1回だけ取り上げたことがありました。その時の記事はこちらをご覧下さいませ。今回の記事はこの過去記事の続報の位置づけでもあります。
この調査で対象元素となっている「カドミウム・マンガン・水銀・セレン・鉛」を見ると、人の必須元素であるものとそうでないものもあり、そのばく露のことを思うと、労働衛生関係者として複雑な気持ちになります。
さて、このエコチル調査はかつてない約10万人というサンプルサイズの大きさと調査期間が特徴の国家PJです。そして、その研究意義を感じ取っていただきたいと思います。
ということで、今日はここまで。
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