健康に問題のある者の配置転換等 004

「健康に問題のある者の配置転換等」というテーマでのアウトプットも4回目となりました。

 

アウトプットしたいのは、健康に問題のある労働者が居たとして、その者の持っている健康に問題のある事象が労働災害に発展する可能性があると判断される場合に、止むを得ず、配置転換をするという流れになった場合に、安衛法などの法的なことも踏まえ、どのようなプロセスで実施されるのか、それを、誰が、いつ、どのように判断して、その結果として配置転換という流れになるのか、ということです。

 

前回記事では、産業医による法令上の「勧告」について触りだけ触れました。

 

今回は、この「勧告」についての省令上の具体的な記載を見ていきたいと思います。

 

前回の最後に触れた安衛則第14条の3第1項の規定です。

 

(産業医による勧告等)
第十四条の三 産業医は、法第十三条第五項の勧告をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告の内容について、事業者の意見を求めるものとする

 

この則第14条の3第1項の規定を見ますと、勧告に至る前に、産業医と事業者はしっかり意見交換をすることが伺えます。当然と言えば当然かもしれません。

 

今回の想定では睡眠障害がある労働者について、事業者が産業医に相談し、産業医は配置転換という勧告をしようとしている訳です。

 

配置転換というのは勤め人にとってはある面宿命ですが、理由の如何に関わらず、「あなた、●●職場に異動です」と告げられるのはかなり重い訳です(私も過去数度の異動を経験していますが、それを告げられる度にかなり動揺しましたので確かです・・・)。

 

それが自らの睡眠障害に起因している訳です。その異動を下すための上流では、産業医による勧告がある訳ですね。産業医の言葉でその労働者の人生が変えるかもしれないと考えれば、産業医にはそれだけの権限があるということなのでしょうか。凄い権限ですね。

 

(産業医等)
第十三条

 産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない。

3 産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならない。

 

ただ、その勧告は、上記に示す安衛法第13条第2項および同第3項の如く、産業医に課せられた使命の中で誠実に行わなければならない訳であり、大変な責任が伴うものと想像できます。

 

そして、事業者は産業医にその権限を、安衛則第14条の4(産業医に対する権限の付与等)によって与えているのです(詳細は省略)。

 

さて、産業医から勧告を受けた事業者はどうするのでしょうか?

 

安衛則第14条の3第2項に規定があります。

 

(産業医による勧告等)
第十四条の三
2 事業者は、法第十三条第五項の勧告を受けたときは、次に掲げる事項を記録し、これを三年間保存しなければならない
一 当該勧告の内容
二 当該勧告を踏まえて講じた措置の内容(措置を講じない場合にあつては、その旨及びその理由)

 

つまり、今回の想定ケースですと、産業医からの睡眠障害による配置転換の勧告という内容を記録すること、そして、それを受けて事業者が配置転換という措置を講じたことを記録する訳ですね。

 

産業医による配置転換という勧告ですが、どんな感じなのか想像で書いてみたいと思います。

 

「この人、睡眠障害があるようですわ。専門医の見解もそうでしたわ。しゃあから、危険物を取扱う今の職場では労災の懸念がありまっしゃろ。ハザードを扱わない事務職場がよろしいんとちゃうやろか?」みたいなやり取りがあるのかもしれません(勿論、こんな関西弁の軽いノリではないと思いますが・・・。でもでも、関西人って真剣な場でもこんなノリでしゃべったりするんですが・・・、えっ、そこは拘るところじゃないって?そうでした・・・ミニコント終了)。

 

ということで、今日はここまで。

 

次回も続きを勉強しながらアウトプットしたいと思いますっ!!

 

 

 

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