健康に問題のある者の配置転換等 003

前々回から始めた「健康に問題のある者の配置転換等」というテーマでアウトプットしたいのは、健康に問題のある労働者が居たとして、その者の持っている健康に問題のある事象が労働災害に発展する可能性があると判断される場合に、止むを得ず、配置転換をするという流れになった場合に、安衛法などの法的なことも踏まえ、どのようなプロセスで実施されるのか、それを、誰が、いつ、どのように判断して、その結果として配置転換という流れになるのか、ということです。

 

前回記事では、労働安全衛生上、問題のある症状として、睡眠時無呼吸症候群(SAS)やナルコレプシー(居眠り病)などの睡眠障害を例として取り上げ、睡眠障害により、労働者自身の安全が損なわれる。そのせいで労働災害など、職場の不利益に繋がるという部分についてアウトプットしました。

 

今回から、睡眠障害が原因で、止むを得ず、配置転換をするという流れになった場合に、安衛法などの法的なことも踏まえ、どのようなプロセスで実施されるのか、それを、誰が、いつ、どのように判断して、その結果として配置転換という流れになるのか?という今回私が知りたかった核心部分について、少しずつですが、勉強したことをアウトプットしたいと思います。

 

まず、睡眠障害を前提にしましたので、産業医が配置転換を判断(「判断」という言葉が適切か否か今はよく分かりませんが、他に適当な言葉が見当たらないので、とりあえず「判断」という言葉を使用します)できるのか、という点について考えてみたいと思います。

 

安衛法を見ますと、その辺りの根拠条文が第13条の産業医に関する部分に見受けられます。

 

(産業医等)
第十三条 (着事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。
2 産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない。
3 産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならない
4 産業医を選任した事業者は、産業医に対し、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の労働時間に関する情報その他の産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報として厚生労働省令で定めるものを提供しなければならない
5 産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができるこの場合において、事業者は、当該勧告を尊重しなければならない
6 事業者は、前項の勧告を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該勧告の内容その他の厚生労働省令で定める事項を衛生委員会又は安全衛生委員会に報告しなければならない。

 

今回の睡眠障害を想定したケースですと、法第13条第4項の規定に基づき、事業者は睡眠種害の事実を産業医に伝えることになろうかと思います。

 

そして、それを受けて産業医は、法第13条第3項および同5項の規定に基づき、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に基づいて、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができるという訳ですね。

 

私が上記で用いた「判断」という言葉ではなく「勧告」が正しい言葉でした。

 

ちなみに「勧告」の意味ですが、広辞苑無料検索によりますと「ある事をするように説きすすめること」と言う意味です。さらに、ちなみにですが、安衛法には第80条第1項の労働衛生コンサルタントにも関係する条文内に「勧奨」(意味:ある事をするように、すすめ励ますこと)という言葉も出てきますので、ご参考まで(勧告>勧奨のイメージでしょうか)。

 

この勧告については、省令に具体的に記載があります。つまり、安衛則第14条の3の規定です。

 

(産業医による勧告等)
第十四条の三 産業医は、法第十三条第五項の勧告をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告の内容について、事業者の意見を求めるものとする
2 事業者は、法第十三条第五項の勧告を受けたときは、次に掲げる事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。
一 当該勧告の内容
二 当該勧告を踏まえて講じた措置の内容(措置を講じない場合にあつては、その旨及びその理由)
3 法第十三条第六項の規定による報告は、同条第五項の勧告を受けた後遅滞なく行うものとする。
4 法第十三条第六項の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 当該勧告の内容
二 当該勧告を踏まえて講じた措置又は講じようとする措置の内容(措置を講じない場合にあつては、その旨及びその理由)

 

ということで、今日はここまで。

 

次回も続きを勉強しながらアウトプットしたいと思いますっ!!

 

 

 

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