「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」観覧@コラム23
5月5日の午後に「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」(以下ピカソ展)を観覧してきましたので、その感想をプチアウトプットしたいと思います。
さて、このピカソ展ですが、東京で開催された後に大阪で今年の2月から開催されています。ピカソのゲルニカが好き、というよりもゲルニカに込められたメッセージ性に魅了された過去の私はピカソの絵が近くで観られる機会がある度に観覧に行っているのです。
今回、長女の帰省に合わせて、長女と実母と3人で観覧に行ってきました!
今回も音声ガイドさんに頼っての美術鑑賞です。これがあることで私のような知識なしの者でも美術作品を楽しむことができます。ナビゲートいただける長谷川博巳さんの声はしっとりとしてとても良かったです。
さてさて、お目当てのピカソの絵の中でも今回は「緑色のマニキュアをつけたドラ・マール」が最も見たかった作品です。
順路に沿って鑑賞していくとちょうど真ん中あたりでしょうか、そのドラ・マールが目に飛び込んできました。
真正面から、側面から、遠目から、何度も見ました。この絵の醸し出す雰囲気が私は好きです。
遥か昔にどこかで見聞きしたドラ・マールという女性の存在をこのようにピカソは表現するんだなあと思いました。タッチの異なるドラ・マールの絵も他にあったのでその違いは何なのかな?なんて素朴な疑問も抱きながら鑑賞することができました。
音声ガイドによるとピカソは付き合う女性が変わると作風も変わったそうです。ん~、素人の私には分かるような、分からないような・・・です。長女曰く「ピカソはいやらしい奴や」とのことでした(笑)。
さて、今回のお目当ては他にもありました。パウル・クレーです。彼の絵は何と言いましょうか、表現が独特なのだと思います。彼の記号のようなもので子供の表情、感情をあらわした作品が好きなのですが、彼の作品も多数展示されていて楽しむことができました。
そして、今回最大の発見は、またまたピカソに戻りますが、彼のサーカスや道化師を題材とした作品3点と巡り合ったことでした。
音声ガイドによると、ピカソが描く道化師や旅芸人の姿には、その温かい色調とは裏腹に、皆どこか哀愁を漂わせているそうです。
実は私もサーカスの旅芸人には同じ感情を抱いていました。次女が幼き頃に二人で観たポップサーカスでの次女が見せた表情は私の生涯忘れられない思い出なのですが、それをより思い出深きものにしていたのはサーカスの旅芸人の何とも言えない哀愁です。
彼らは次から次へ場所を変えながら旅をするかの如く公演をします。華やかな表舞台とは異なり、その裏での苦労は大変なものでしょう。大人に混じって子供や動物も一緒になってまるで大きな家族のように感じられる彼らの姿の裏の面を私はつい気にしてしまうのです・・・、何故か・・・。
その感情と音声ガイドの内容がピタッと一致した瞬間が今回あったのです。それにより私のピカソを見る目がまた多面性を帯びたこと、そして、深くピカソを理解したいとも思いました。
今回観た以下の3点の作品には哀愁がはっきりと見てとれると思いました。そして、この中でも3点目の「サーカスの馬」に最もその雰囲気を感じとったのです。
「サーカスの馬」は初めて見た絵でした。馬を引く男の表情とゲルニカを思われせる馬のタッチ、そして、それを眺める聴衆の顔、その顔も普通の表情もあれば不気味な表情も混ざっています。そんな作品の雰囲気に惹きつけられ、何度も戻ってはその前に立ちました。
きっと他の有名な作品に比べると人気がないのでしょう。この作品の前は比較的空いていたので何度も観ることができました。この絵に出会えて、また、ピカソと似たような感情の一致を感じて、本当にありがとうという気持ちになりました。
展覧会は5月21日までなのですが、ひょっとしたら、この絵にまた会いにいくかもしれません。
このGWの唯一のオフを充実した気持ちで過ごすことができました。感謝です。
ということで、今日はここまで。
HPトップページはこちらから➡労働衛生コンサルタントになった私の精進の日々
采々さんのお気に入りのドラ・マールを真正面から、側面から、遠目から、何度も見ました。この文章に非常に共感しました。私は絵画は全くわからないのですが、年に3回くらい青春18切符を使い京都の広隆寺の弥勒菩薩半香椎像を中心に仏像他を見に行きます。行くたびにこの仏像のベストポイントが悩み事や心境により大きく変わります。というのは顔の表情が見る場所で大きく変わるからです。先月会いに行った際のベストポイントは向かって右斜め45度から正座し見上げたところです。そこでお祈りすると(お祈り内容はコンサルタント試験時に自分の実力が発揮できるようにと厚かましくお祈りしています) この仏像の代表的な右指がOKポーズに見えかつ微笑んでいる姿にみえました。また向かって左から背中をみると極めてセクシーに見えます。(仏像をセクシーというのは罰当たりかもしれませんが)この他不空羂索観音やもう一体の弥勒菩薩(泣き弥勒)等の仏像等も一緒に見ることができ、かつ混雑しない京都のおすすめスポットです。自分のお気に入りの芸術品をみると心が洗われますよね。なかなか機会がないと思いますのでコツコツ勉強会の日程をきにせず来週もう1度ピカソに会いに行かれた方がいいのではないでしょうか。
T31様
コメントありがとうございます。
T31さんは弥勒菩薩半香椎像に「会いに行く」んですね。観にいくではなく、会いに行くというのがとてもすばらしいと思いました。T31さんにとって、この像はまさにそういう存在なのですね。そして、会いにいくからこそ、お相手の像も見せる表情やしぐさを変えてくれているのですね。まるで会話しているような感じかもと、何にも分からないのですが、想像してしまいました。
ピカソの件も、お気遣いいただきありがとうございます。
コツコツとは別に時間は工面できるのでチャンスがあれば私もあの絵に会いに行くかもしれません。
優しいコメント、ありがとうございました!