読書記録 009 「あなたが誰かを殺した」(東野圭吾著)

書籍名:あなたが誰かを殺した

著者 :東野圭吾

出版社:講談社

読書動機:東野センセ作品はご無沙汰していたので、今回、読んでない作品を手に取ってみました。

 

気づき3点。若干ネタバレありなので、気になる方は読まないで下さいね。

 

1.読みやすい日本語表現!

 

毎回思うのですが、東野センセの書かれる文章はとても平易で読みやすいです。小説であれ、専門書であれ、日本語の分かりやすさ、読みやすさは大事だな~と改めて思いました。東野センセの文体は私の身体と心に一番マッチしていると感じています。

 

2.“アガサ・クリスティー”チック!?

 

今回の作品からは、何だかアガサ・クリスティーの臭いがしました。しかも、エルキュール・ポワロ先生です。書籍名からてっきり、「私が彼を殺した」シリーズの続編かな、と勝手に想像していましたが、どうやら、作風が違う~と思いながら読み進めると、加賀刑事が突如登場したことで、作品が一気に締まり、これは心して読まねばって思いました!

 

3.作品の出来としては??? でも・・・

 

登場人物の限られる中での謎解きとしては、ん~、「中の中」って感じでした。読者のためを考えてか、若干伏線がありましたから・・・。ただ、読後少し時間が経ってから考えると、登場人物の心理描写が秀逸だったなあと改めて思いました。特に、最後、視点がコロコロ変わった展開は面白かったです。また、我が儘そうに見えて実は芯がしっかりしていたりとか、貞淑そうに見えて実は・・・とか、最後にはまさかあの人も・・・とか、「誰しも二面性がある」ということを東野センセはこの作品のテーマにしたかったのかなと想像しました。そのことが作品に深みを与えていたと思います。

 

今回も面白い作品をありがとうございました、東野センセっ。

 

 

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