衛生管理者業務@コラム012

今回は第80回全国産業安全衛生大会にオンデマンド参加した際に印象深かったパネルディスカッション「衛生管理者職務のダイバーシティ化と生産性確保を目指して」について感じたことをアウトプットします。

 

当該パネルディスカッションの概要が今でもHP情報から閲覧できましたので、以下に概要を紹介します。

 

近年、衛生管理者の職務が拡大・多様化され、従来の法律・通達等に示されている表現では、職務内容について職場で共通の認識を得ることが難しいこともある。衛生管理者が事業場の生産性を確保しながら労働者の健康を守るため、何が問題で、何が必要か、専門家による討議を行う。

 

これについて4名のパネリストのそれぞれの立場から衛生管理者の職務についての問題点の投げかけがあったのですが、率直に感じたことは「えっ~、世間では衛生管理者ってこんな風に受け止められていて、こんな悩みを抱えているんだ~」と少し驚きました。

 

ちなみに4名の方の立場は区々で、①企業内安全衛生を統括する立場の方(ちなみにこの方は労働衛生コンサルタント(労働衛生工学))、②労働衛生コンサルタント事務所の所長さん(この方も労働衛生コンサルタント(労働衛生工学))、③全国衛生管理者協議会の関係者の方で独立系コンサルタントの方(ちなみにこの方は衛生管理者)、④現場で選任衛生管理者の方、という具合でした。

 

さて、この中で①②④の方の講演は、概ね、衛生管理者があまり認知されていない状況を訴えるものであったかと思います。

 

私が最も印象深かったのは③の方の講演でした。労務管理と衛生管理者の関係をベースに、仕事と健康のバランスという観点で鋭い切り口で論じられていました。

 

労務管理と衛生管理は相反することだという論旨です。何が相反するかと言うと、経営側は業績を確保する必要がある中で、時に時間外労働が半ば当たり前となるような事態も常態化していて「健康に明らかに影響のある」状態があるのに、一方では「如何に労働者の健康を確保するか」という相反することを求めているということです。

 

こういうことを公の場で真正面から論じられている姿勢が非常に印象的でした。

 

実は、全国産業安全衛生大会というものに参加したのはこれが2回目です。1回目はかなり以前でしたから実質1回目のようなものです。

 

今回のようなある面本音ベ―スの議論が活発に行われている大会なのだなという印象を持ちました。ただ、このような参加状況のため、過去経緯は一切分かっておりません。

 

さて、話を基に戻しますと、なんで衛生管理者の存在感、存在意義が薄いのかです。その点も討論されていたと思いますが、私は「衛生」ということ自体が分かり難いのではないかと思っています。

 

よく「安全衛生」と言われますが、「安全」と「衛生」って別のことですよね。そして、「安全」は比較的分かりやすいのですが、「衛生」は分かり難いのです。

 

コロナ禍になり、ある意味、「衛生」について理解するよい機会だと個人的には思っていますが、国民の認識はコロナと「衛生」は恐らく結び付いていません。そういったところも「衛生」が世間に認知されていないところなのかなと思います。

 

では、どうしたら良いのでしょうか?ということを議論したいのですが、それはまた別の機会に行いたいと思います。

 

ということで今日はここまで。

 

 

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