建築物における衛生的環境の確保に関する法律でのCO2濃度

換気シミュレーターを調べる前に・・・

 

室内におけるcovid-19対策として二酸化炭素濃度を指標として換気を促す取り組みが行われています。その一つが、産業衛生学会の換気シミュレーターです。これについて調べようとしたのですが、その前に、関連事項について調べたのでそれを記載したいと思います。

 

前回の記事では事務所則でのCO2濃度の規定について紹介しましたが、今回は「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(以下、建築物衛生法)でのCO2濃度の規定について調べたので紹介します。

 

CO2濃度は建築物衛生法第4条に規定があります。

 

(建築物環境衛生管理基準)
第四条 特定建築物の所有者、占有者その他の者で当該特定建築物の維持管理について権原を有するものは、政令で定める基準(以下「建築物環境衛生管理基準」という。)に従つて当該特定建築物の維持管理をしなければならない
2 建築物環境衛生管理基準は、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ねずみ、昆虫等の防除その他環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置について定めるものとする。
3 特定建築物以外の建築物で多数の者が使用し、又は利用するものの所有者、占有者その他の者で当該建築物の維持管理について権原を有するものは、建築物環境衛生管理基準に従つて当該建築物の維持管理をするように努めなければならない。

 

ちなみに、この中の「特定建築物」は同法第2条に規定されています。

 

(定義)
第二条 この法律において「特定建築物」とは、興行場、百貨店、店舗、事務所、学校、共同住宅等の用に供される相当程度の規模を有する建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に掲げる建築物をいう。以下同じ。)で、多数の者が使用し、又は利用し、かつ、その維持管理について環境衛生上特に配慮が必要なものとして政令で定めるものをいう
2 前項の政令においては、建築物の用途、延べ面積等により特定建築物を定めるものとする。

 

さらに、ちなみになんですが、第2条第2項は、政令で定義されております。

 

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令

(特定建築物)
第一条 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以下「法」という。)第二条第一項の政令で定める建築物は、次に掲げる用途に供される部分の延べ面積(建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第二条第一項第三号に規定する床面積の合計をいう。以下同じ。)が三千平方メートル以上の建築物及び専ら学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校又は就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園(第三号において「第一条学校等」という。)の用途に供される建築物で延べ面積が八千平方メートル以上のものとする
一 興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館又は遊技場
二 店舗又は事務所
三 第一条学校等以外の学校(研修所を含む。)
四 旅館

 

さて、建築物衛生法第4条の「建築物環境衛生管理基準」は政令の第2条第2項に規定されており、そこにCO2の含有率が規定されています。

 

第二条 法第四条第一項の政令で定める基準は、次のとおりとする。
一 空気環境の調整は、次に掲げるところによること。

イ 空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給(排出を含む。以下この号において同じ。)をすることができる設備をいう。ニにおいて同じ。)を設けている場合は、厚生労働省令で定めるところにより、居室における次の表の各号の上欄に掲げる事項がおおむね当該各号の下欄に掲げる基準に適合するように空気を浄化し、その温度、湿度又は流量を調節して供給をすること。

三 二酸化炭素の含有率 百万分の千以下

 

この値は、先の記事での事務所則と同じですね。なお、測定の頻度も同様で2か月に1回です。また、測定者も同じく有資格者以外でも測定可能です。作業環境測定士でなくとも良い訳です。

 

前回と今回でCO2濃度について調べてみましたが、所管する法令は異なるものの、値は同じでしたね。こういう場合、何だかホッとします。

 

余談ですが、今回、「建築物衛生法」について調べたのですが、恥ずかしながら、この法律のことを私は知りませんでした。この法律が「ビル管理法」と呼ばれているのも知りませんでした。

 

私の仕事上の立場やその他諸々のことを踏まえると、本来、知っていないとまずかったような気がしますが、知らなかったのだから仕方ありません(お馬鹿な私なので・・・)。今回知れて良かったと素直に思いたいと思います。

 

次回から、ようやくとなりますが、産業衛生学会の換気シミュレーターについて調べて紹介したいと思います。お楽しみに!!

 二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下)

 

 

 

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