GHS絵表示の示す危険有害性の理解度を高めるために
労働安全衛生総合研究所コラム記事紹介
先日、労働安全衛生総合研究所のメールマガジンが届き、その中で興味深い記事があったので紹介したいと思います。
内容は「GHS絵表示の示す危険有害性の理解度を高めるために」ということで、GHS絵表示の現場作業者の理解度調査の結果とその対策について書かれています。
短いコラムなので、具体的な内容は読んでいただいた方が良いと思いますが、印象的だったことは、絵表示の理解度が低いことでした。
実は、前々から私もGHSの絵表示って何だか分かり難いなと思っていました。この記事を見て、半分、安心した気持ちになりました。「みんな分かり難かったんだ!!」ということです。ただ、半分は、これじゃあアカンですわね、という気持ちです。
では、理解度を高めるにはどうしたらいいの?ということも、記事の中でしっかり提言されています。重要なのはやはり「教育訓練」とされています。それも「know-why」が重要だと。私も同感だと思いました。
「know-why」とは「理由を知っていること」となりましょうか。私の中ではトレンドワードとなっています。
ここ最近、コンプライアンスに代表されるマニュアル化の促進が叫ばれて久しいですが、それが定着すると、定型作業化され、何故、そんなことをやっているのか? つまり、「know-why」が理解されていないということが起こりがちです。マニュアル化は誰でもができるようになるという平準化が期待される一方で、このような弊害も起こります。
GHSの絵表示の理解にもその点の重要性が説かれていると感じました。
そもそもですが、GHSとは「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)」です。ハザード等がこの絵表示をみただけで、世界のどの国でも理解されるようにという精神ですよね。
その精神が根付いていないとすると、運用する際の工夫として教育訓練はとてもよいことだと思います。また、労働衛生コンサルタントの役目も重要かもしれません。現場で直接指導することはないかもしれませんが、浸透させる工夫、提言などには積極関与が必要かもしれません。
なお、GHSについては、労働衛生コンサルタント試験にも頻出問題となっていますので、受験を控えている方は要チェックです。
今回は記事を紹介させていただきました。