法令の読み方01@労働安全衛生関係法令

労働安全衛生関係法令を読み解くのは難しい

 

今回は、労働安全衛生関係法令を読み解くのは難しいよね、という話をしたいと思います。

 

関係法令を理解する大切さは合格体験記にくどく記載しました。私自身がそう思う一番の理由は、労働衛生コンサルタントは関係法令を根拠として業務を行うことになるからです。これはコンサルタントに関わらず、労働衛生に関わるスタッフについても同様です。

 

しかしながら、労働安全衛生関係法令を理解するのはとても難しいと思います。何故なら、労働安全衛生法令の体系が複雑、且つ、多岐に渡っているからです。

 

  • 法律(労働安全衛生法)
  • 政令(労働安全衛生法施行令他1本)
  • 省令(労働安全衛生規則、特別衛生規則(11本)、労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント規則他2本)(労働安全に関わる省令は割愛)

 

さらに、労働基準法との絡みで理解すべき事柄もあり、非常に複雑ですよね。

 

私が特に難しいなあと思うのは、法律が省令に委任している部分があることでしょうか。習慣的に、法律には大枠のことしか書かれていないため、先に省令を見る癖がついていることもありますが、個々の内容について、法律条文とその省令条文との関係を理解するのは簡単ではないと思います。

 

こういったことから、私はコンサルタント試験に合格した後も法令の勉強を継続しています。今読んでいるのは「労働安全衛生法のはなし」(畠中信夫著、中災防ブックス)という本です。コンサルタント試験の口述試験勉強の後半で辞書的に用いる目的で購入したものです。それを今は最初から順番に精読しています。

 

法令条文自体は掲載されていませんが、逐条解説的に平易に各条文が説明されているので、お馬鹿な私でも理解しやすいです。そして一番の良い点は読むと法令が好きになることです(私だけかな?)。

 

最近良かったと思えたのは、労働安全衛生法第27条第1項の解釈についてです。

 

第二十七条 第二十条から第二十五条まで及び第二十五条の二第一項の規定により事業者が講ずべき措置及び前条の規定により労働者が守らなければならない事項は、厚生労働省令で定める。

 

ここに書かれている「第二十条から第二十五条まで及び第二十五条の二第一項の規定」というのは、「第四章 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置」の中の「事業者の講ずべき措置等」です。実際には、第27条までが「事業者の講ずべき措置等」に含まれるのですが、これについての著者の解説が秀逸だと思うので、ここに一部分抜粋させていただきます。

 

「・・・これらの規定においては、事業者に、その使用する労働者の労働災害を防止するために必要な措置を講ずべきことを抽象的に義務付けているだけで、事業者が講ずべき具体的な措置内容はほとんど白紙で、法第27条第1項により厚生労働省令に委任されている」(178頁)

 

法律第20条から第25条までを見ても何にも具体的なことは書かれていません。それを上記の赤字の部分が見事に言い当てていますよね。そして、法第27条第1項を見ると省令へ委任されていることが書かれています。

 

法令は、丹念に読めばどこに何が書かれているのかが分かるように書かれています。

 

ただ、省令のどこに書いてあるのかと言えば、それはそれで探さなくてはならないのですが・・・。

 

ということで、今回は法令を読み解くのは難しいよねということでした。法令については今後も不定期に取り上げていきたいと思います。

 

 

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