日本産業衛生学会 東海地方会 産業衛生技術部会特別企画/オンライン参加 01

1月22日に開催された日本産業衛生学会 東海地方会 産業衛生技術部会特別企画に情報収集を目的にオンライン参加しました。

 

今回は「「労働衛生の将来の方向性」を考える講演会」と題して2題の講演が行われました。各講演に対する私の感想を簡単ですがご紹介したいと思います。

 

講演1

「化学物質管理の大転換 法令準拠型から自律的な管理へ」

講師:城内 博 氏(独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所化学物質情報管理研究センター センター長)

 

この講演は昨年7月19日付けの報告書「職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会」に関するものです。これについてはこのHPでも何度か取り上げています。

 

ただ、私としては、この報告書の副題となる「~化学物質への理解を高め自律的な管理を基本とする仕組みへ~」の「自律的な管理」の意味がいまいち理解できていなかったのです。

 

この意味を理解しようとしてはいたのですが、報告書やその説明資料を見ても、やはりいまいち理解が進まないのです(やはりお馬鹿なんですね、私は・・・)。これを理解せねば、今後の方向性がそもそも理解できないと、少し焦りを覚え始めていました。

 

そんな折、ある業界団体からこの報告書の解説とも言える資料(実は今回の講演内容で使用されたものと同じ資料)を入手することができ、これを見て、「そっか、そういうことだったのね、自律的な管理って!!」という風に一気に理解が進んだのです。

 

そこで、その資料入手時に是非講演も拝聴したいなと思って講演に応募をしようとしたら既に満席・・・。かなりの失望感があったのです・・・。

 

そして迎えた1月22日、オンラインで繋いでさあ勉強しようと思って、改めて講演内容を見たら、何と、先に応募し損ねたあの内容と同じ講演だったのです☆☆☆。やった~、ということで、無事、城内先生のご講演を拝聴することができました(賢明な読者の方はオンラインの応募の際にお前が演題を見逃しただけやろ、お馬鹿!!、と思われたと思いますが、まさにその通りなのです、お馬鹿な私なのでごめんなさい・・・)。

 

さて、気を取り直して、本題です。

 

自律的な管理の意味を理解させてくれた恩人の講演でしたので、楽しく拝聴させていただきました。また、先に資料にしっかり目を通していたので、理解もさらに深まりました。先に目を通した際に不明だったいくつかの点(データの出典など)についても理解が進みました。

 

特に良かったのは、上述の報告書についてはその説明資料しかなかったのですが、今回の演者の説明資料はその根本的な理解を助けるための背景からしっかり説明いただいていることでした。

 

そして、自律的な管理ということ対して、これまでは他の参加者もあまり理解されていなったのではないかと思えたことでした。「な~んや、私だけじゃなかったのね」と安心しました。しかし、そう思ったのもつかの間、自律的な管理の意味が理解できたことで、「むむっ、これからは化学物質管理を自律的に進めていくのは難しいだろうな~」という率直な思いがこみ上げてきました。

 

自律的な管理になれば、事業者は自ら管理をする、ということになるのです。つまり、国が定める管理基準の達成は求められるのですが、その達成のための手段は問われないのです。

 

しかし、考えてみて下さい。これまでの法令準拠型でさえ現場の対応は十分とは言えなかったのです。それを自律的にしなさいと言われて簡単にできるとは思えません。

 

これまで法令準拠型でうまく機能しなかったことについて、国側は膨大な化学物質管理自体の困難さを理由に考えている節がありますが、事業者側からすると、リスクアセスメント自体のやり方が分からないなどの運用面の理由もあり、嚙み合っていないようにも思います。

 

でも、今後は自律的な管理に移行しますから、事業者は「どげんかせんといかん」訳です。

 

そこで出番となるのが我ら労働衛生コンサルタントではと思いました。つまり、専門家の出番です。特に労働衛生工学のコンサルタントは皆同じことを考えているでしょう。勿論、作業環境測定士やオキュペイショナルハイジニストも然りかもです。

 

そこで生きるのはコンサルティング能力ですよね。来るべき時までにしっかり準備をしておきたいと思います。ただ、その時にこの分野に興味があるかは別ですが・・・。

 

ということで今日はここまで。

次回はもう一つの講演の感想についてアウトプットしますね。

 

 

 

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