日本産業衛生学会 東海地方会 産業衛生技術部会特別企画/オンライン参加 02

1月22日に開催された日本産業衛生学会 東海地方会 産業衛生技術部会特別企画に情報収集を目的にオンライン参加しました。

 

今回は「「労働衛生の将来の方向性」を考える講演会」と題して2題の講演が行われました。昨日の講演1の感想(2022年1月23日)に続き、今日は講演2に対する私の感想を簡単ですがご紹介したいと思います。

 

講演2

「近未来の重量物取扱管理-ISO11228 改訂について-」

講師:榎原 毅 氏(名古屋市立大学 大学院医学研究科 環境労働衛生学 准教授)

 

まず、話は数か月前に遡ります。重量物管理が変わるということを聞いた記憶があります。それが、いつ、どこで、誰から、どのように聞いたのかが一切思い出せないのですが、聞いた記憶だけが残っているという状況で、今回の講演を聞くまで、ずっと忘れていた状態でした。

 

そして、今回の講演です。講演がはじまってすぐに「あっ、重量物管理が変わるってこのことだったのね!!」と記憶が一気に蘇ってきたのです。少しすっきりしました(すいません、どうでもいい話ですね)。

 

ということで本題ですが、全体の講演の流れは重量物管理に関する過去からの流れと、今回のISO11228に関する話であり、とても新鮮な気持ちで聴講することができました。何が新鮮だったのかについて説明します。

 

重量物については、職業性疾病上の疾病分類上では「負傷に起因する疾病」の中で災害性腰痛の主因として捉えられていることはコンサルタントの方はよく知っていることです。

 

特に大事なことはその人数でして、「負傷に起因する疾病」が疾病分類上では疾病者が最も多いということ(令和2年:6,533名)、そのうち災害性腰痛は5,582名を占めているため、重量物の取扱いは重要なことなのです。

 

ちなみに、コロナ禍となった令和2年でも「その他の疾病」(Covid-19を含むもの)の6,461名を抑えて「負傷に起因する疾病」の疾病者数6,533名はトップでした。凄いですね。でも、令和3年は逆転するかもですね。

 

話を戻しますと、上記のような疾病分類上の観点から、私もコンサルタント試験では「職場における腰痛予防対策指針」をしっかり勉強しました。

 

ただ、ただですね、個人的な話になりますが、重量物の取扱いが職場ではほとんどないため、あまり実感が湧かないのです。実地経験とでも言いましょうか、理屈では分かっているけど、実態が伴っていないということです。

 

ですから、今回の講演で、これまでの重量物管理を「重量というハザードを性別、年代別で管理しているという発想」と聞いた瞬間、「そうだっ、その通りだわ、そう考えるべきだったのねっ!!」と合点がいきました。

 

本来そのように捉えるべきだったのですね。身近にその作業がないと実感として感じにくく、かつ、どこかで重量物管理は何となくハザード管理とは別の話と勝手に思い込んでいた自分を戒めるよい機会になりました。演者の先生、どうもありがとうございました。

 

そして、今回の講演の主題は実はそこではなく、今後の重量物管理がリスクアセスメント型へとシフトしてきているという話でした。そこにISO11228の改訂の話が登場するのです。

 

しかし、残念ながら、この改訂部分はしっかり聴講できなかったのです。土曜日の自宅でのオンライン参加のため、急遽家事が入ってしまい肝心な部分を聞き逃す結果になってしまいました・・・。「自宅オンラインあるある」とでも言いましょうか、非常に残念でした。ただ、最後の方はオンラインに復帰できて、このISO11228の改訂の問題点を聞くことができました。

 

つまり、ISO11228(厳密にはISO11228-1)は、⼈を対象とした作業(介護・介助などの抱え上げ等)は対象外(別規格での扱い)であることや、妊婦や障害のある⽅のニーズにも対応していないとのことでした。

 

今回の講演を拝聴して、今後は重量物管理についてもしっかり勉強していこうと思った次第で、そのきっかけを与えていただいた演者に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

ちなみに、少し調べてみたところ、日本人間工学会で「ISO 11228-1:2021改訂説明会~職場における腰痛予防と重量物取り扱い作業の新しい考え方について~」と題したセミナーが2月4日に有料開催されるようです。今回ご登壇された榎原先生のご講演もあるようです。ご興味のある方はご覧いただければと思います。

 

ということで今日はここまで。

 

 

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