労働基準監督制度⑨

安衛法における労働基準監督制度について調べてみて、分かったことをアウトプットしたいと思います。

 

前回記事では労働基準監督署の行政的関与のうち報告、出頭について書きました。

 

今回は労働基準監督制度の続きとして、許可・認定・命令・指定について書いてみたいと思います。

 

許可の例として特化則で説明します。特化則第6条の3には所轄労働基準監督署長の許可についての規定があります。

 

第六条の三 事業者は、第四条第三項及び第五条第一項の規定にかかわらず、発散防止抑制措置を講じた場合であつて、当該発散防止抑制措置に係る作業場の第二類物質のガス、蒸気又は粉じんの濃度の測定(当該作業場の通常の状態において、労働安全衛生法(以下「法」という。)第六十五条第二項及び作業環境測定法施行規則(昭和五十年労働省令第二十号)第三条の規定に準じて行われるものに限る。以下この条において同じ。)の結果を第三十六条の二第一項の規定に準じて評価した結果、第一管理区分に区分されたときは、所轄労働基準監督署長の許可を受けて、当該発散防止抑制措置を講ずることにより、第二類物質のガス、蒸気又は粉じんの発散源を密閉する設備、局所排気装置及びプッシュプル型換気装置を設けないことができる。

 

ご参考までに、法第56条に規定される製造の許可は厚生労働大臣が実施することになりますが、労働衛生コンサルタント試験の過去問の選択肢で所轄労働基準監督署長が選択肢になっているのを見た記憶があります。受験生は要チェックです!!

 

製造の許可
第五十六条 ジクロルベンジジン、ジクロルベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障害を生ずるおそれのある物で、政令で定めるものを製造しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

 

認定についても特化則第6条に規定があります。

 

第六条 前二条の規定は、作業場の空気中における第二類物質のガス、蒸気又は粉じんの濃度が常態として有害な程度になるおそれがないと当該事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。)が認定したときは、適用しない。

 

命令の例としては、法第11条第2項のような規定があります。

 

(安全管理者)
第十一条 事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、安全管理者を選任し、その者に前条第一項各号の業務(第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第一項各号の措置に該当するものを除く。)のうち安全に係る技術的事項を管理させなければならない。
2 労働基準監督署長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、安全管理者の増員又は解任を命ずることができる

 

その他に法第98条の「使用停止命令等」などがあります。

 

また、指定の例としては則第4条第3項のようなものがあります。

 

(安全管理者の選任)
第四条 法第十一条第一項の規定による安全管理者の選任は、次に定めるところにより行わなければならない。
一 安全管理者を選任すべき事由が発生した日から十四日以内に選任すること。
二 その事業場に専属の者を選任すること。ただし、二人以上の安全管理者を選任する場合において、当該安全管理者の中に次条第二号に掲げる者がいるときは、当該者のうち一人については、この限りでない。
三 化学設備(労働安全衛生法施行令(以下「令」という。)第九条の三第一号に掲げる化学設備をいう。以下同じ。)のうち、発熱反応が行われる反応器等異常化学反応又はこれに類する異常な事態により爆発、火災等を生ずるおそれのあるもの(配管を除く。以下「特殊化学設備」という。)を設置する事業場であつて、当該事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄都道府県労働局長」という。)が指定するもの(以下「指定事業場」という。)にあつては、当該都道府県労働局長が指定する生産施設の単位について、操業中、常時、法第十条第一項各号の業務のうち安全に係る技術的事項を管理するのに必要な数の安全管理者を選任すること。

 

このように許可・認定・命令・指定などの労働基準監督制度による行政処分により、法の実効性が確保される仕組みになっているのですね。

 

途中でも記載した通り、労働衛生コンサルタント試験では、許可権者が誰かを問う問題が労働衛生関係法令で出てくることがあります。頻出問題については覚えるしかないと思いますので、しっかり学習する必要があります。

 

今日はここまで。

 

次回は労度基準監督者制度のまとめです。

 

 

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