局所排気装置の定期自主検査 その01

今回から数回シリーズで、局所排気装置の定期自主検査についてアウトプットしたいと思います。

 

さて、定期自主検査の説明の前に、局所排気装置(以下、局排)および定期自主検査の法的な規定について見ていきたいと思います。まず、局排ですが、有機則第5条が分かりやすいと思います。

 

(第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る設備)

第五条 事業者は、屋内作業場等において、第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る有機溶剤業務(第一条第一項第六号ヲに掲げる業務を除く。以下この条及び第十三条の二第一項において同じ。)に労働者を従事させるときは、当該有機溶剤業務を行う作業場所に、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない

 

同様に鉛則、特化則、粉じん則、石綿則にも局排に関する規定があります。詳細は割愛します。

 

ちなみにこの上位には安衛則があり、「第3編衛生基準」「第1章有害な作業環境」の則第577条に局排のことが規定されています。

 

第三編 衛生基準

第一章 有害な作業環境

(有害原因の除去)

第五百七十六条 事業者は、有害物を取り扱い、ガス、蒸気又は粉じんを発散し、有害な光線又は超音波にさらされ、騒音又は振動を発し、病原体によつて汚染される等有害な作業場においては、その原因を除去するため、代替物の使用、作業の方法又は機械等の改善等必要な措置を講じなければならない。

ガス等の発散の抑制等

第五百七十七条 事業者は、ガス、蒸気又は粉じんを発散する屋内作業場においては当該屋内作業場における空気中のガス、蒸気又は粉じんの含有濃度が有害な程度にならないようにするため、発散源を密閉する設備、局所排気装置又は全体換気装置を設ける等必要な措置を講じなければならない

 

改めて述べる必要も無く、このように法令上の根拠と共に、ガス等を発散する屋内作業場には局排が必要な訳です。

 

次に、定期自主検査です。

 

局排は機械設備ですから、設置後(勿論、設置時には設置届が必要です)には定期点検が必要となります。その法的根拠は安衛法第45条第1項の規定となります。

 

(定期自主検査)

第四十五条 事業者は、ボイラーその他の機械等で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、定期に自主検査を行ない、及びその結果を記録しておかなければならない。

2 事業者は、前項の機械等で政令で定めるものについて同項の規定による自主検査のうち厚生労働省令で定める自主検査(以下「特定自主検査」という。)を行うときは、その使用する労働者で厚生労働省令で定める資格を有するもの又は第五十四条の三第一項に規定する登録を受け、他人の求めに応じて当該機械等について特定自主検査を行う者(以下「検査業者」という。)に実施させなければならない。

3 厚生労働大臣は、第一項の規定による自主検査の適切かつ有効な実施を図るため必要な自主検査指針を公表するものとする。

4 厚生労働大臣は、前項の自主検査指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者若しくは検査業者又はこれらの団体に対し、当該自主検査指針に関し必要な指導等を行うことができる。

 

さらに安衛令第15条には定期自主検査を行うべき機械等が規定されており、第9項に局排が規定されています。

 

(定期に自主検査を行うべき機械等)

第十五条 法第四十五条第一項の政令で定める機械等は、次のとおりとする

一 第十二条第一項各号に掲げる機械等、第十三条第三項第五号、第六号、第八号、第九号、第十四号から第十九号まで及び第三十号から第三十四号までに掲げる機械等、第十四条第二号から第四号までに掲げる機械等並びに前条第十号及び第十一号に掲げる機械等

二 動力により駆動されるプレス機械

三 動力により駆動されるシヤー

四 動力により駆動される遠心機械

五 化学設備(配管を除く。)及びその附属設備

六 アセチレン溶接装置及びガス集合溶接装置(これらの装置の配管のうち、地下に埋設された部分を除く。)

七 乾燥設備及びその附属設備

八 動力車及び動力により駆動される巻上げ装置で、軌条により人又は荷を運搬する用に供されるもの(鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)、鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)又は軌道法(大正十年法律第七十六号)の適用を受けるものを除く。)

九 局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置、排ガス処理装置及び排液処理装置で、厚生労働省令で定めるもの

十 特定化学設備及びその附属設備

十一 ガンマ線照射装置で、透過写真の撮影に用いられるもの

2 法第四十五条第二項の政令で定める機械等は、第十三条第三項第八号、第九号、第三十三号及び第三十四号に掲げる機械等並びに前項第二号に掲げる機械等とする。

 

ちなみに、局排の定期自主検査を実施するための資格は不要です。法第45条第2項および令第15条第2項以下にそのことが規定されていますが、詳細は割愛させていただきます。

 

さて、ここからが本題ですが、局排の定期自主検査はどのように行えばよいのでしょうか?それについては法第45条第3項に規定があります。上記にも掲載済ですが、改めて当該規定のみ抜粋します。

 

定期自主検査

第四十五条

1,2(略)

3 厚生労働大臣は、第一項の規定による自主検査の適切かつ有効な実施を図るため必要な自主検査指針を公表するものとする

 

つまり、自主検査指針のことがここに規定されているのです。

 

ということで、今日はここまで。

次回から局排の定期自主検査指針について見ていきたいと思います。

 

 

 

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