局所排気装置の定期自主検査 その02

前回から数回シリーズで、局所排気装置の定期自主検査についてアウトプットしています。

 

前回は法令上の局所排気装置(以下、局排)および定期自主検査の法的な規定についてアウトプットしました。

 

今回は局排の定期自主検査についてアウトプットしたいと思います。局排が関与する省令には有機則、鉛則、特化則、粉じん則、石綿則がありますが、ここからは代表例として、有機則の局排について見ていきたいと思います。ちなみに、話を簡単にしたいので、プッシュプルは除き、また、初回点検も除きます。

 

さて、有機則上の定期自主検査の規定について見てみましょう。則第20条第2項にそのことが規定されています。

 

局所排気装置の定期自主検査

第二十条 令第十五条第一項第九号の厚生労働省令で定める局所排気装置(有機溶剤業務に係るものに限る。)は、第五条又は第六条の規定により設ける局所排気装置とする。

2 事業者は、前項の局所排気装置については、一年以内ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、一年を超える期間使用しない同項の装置の当該使用しない期間においては、この限りでない。

一 フード、ダクト及びファンの摩耗、腐食、くぼみその他損傷の有無及びその程度

二 ダクト及び排風機におけるじんあいのたい積状態

三 排風機の注油状態

四 ダクトの接続部における緩みの有無

五 電動機とファンを連結するベルトの作動状態

六 吸気及び排気の能力

七 前各号に掲げるもののほか、性能を保持するため必要な事項

3 事業者は、前項ただし書の装置については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。

 

そして、則第21条第1項に定期自主検査実施後の記録の規定があります。

 

(記録)

第二十一条 事業者は、前二条の自主検査を行なつたときは、次の事項を記録して、これを三年間保存しなければならない。

一 検査年月日

二 検査方法

三 検査箇所

四 検査の結果

五 検査を実施した者の氏名

六 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容

 

勿論ですが、その点検の過程で異常を認めた場合にはしっかり補修せねばなりません。そのことは則23条に規定されています。

 

補修

第二十三条 事業者は、第二十条第二項及び第三項(第二十条の二第二項において準用する場合を含む。)の自主検査又は前条の点検を行なつた場合において、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない

 

つまり、有機則上の局排の定期自主検査は則第20条第2項の項目について一年以内毎に一回実施し、その記録を則第21条に準じて行った上で必要な補修を行い、3年間保管すればよいとなります。

 

さて、これで定期自主検査はできますよね?大丈夫ですよね?となりますが、如何でしょうか?

 

労働衛生工学区分の労働衛生コンサルタントとしては、局排の設計問題が筆記試験で課されているので、局排の設備に関する知識を持ち合わせていなければなりません(と私は思っています)。従って、則第20条第2項に規定される検査項目を読めば何とか点検できるのではないでしょうか、というのが私の意見です。

 

しかし、前回記事で見た通り、定期自主検査には資格は不要ですから、局排の知識が無くても、誰でもが定期自主検査をできなければなりません。

 

そこで、登場するのが「指針」となります。

 

前回記事でも少し触れましたが、局排には厚生労働大臣が作成した定期自主検査指針というものがあります。つまり、これを見れば誰でも定期自主検査ができるとなる訳です。

 

しかし、実際に中身を見てそれができるでしょうか???これについては、次回以降で見ていきたいと思います。

 

ということで、今日はここまで。

 

 

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