事業所内労働衛生コンサルタント②@コラム006
事業所内労働衛生コンサルタントの力量について考えるということで、前回記事では私の思っていることを安衛法を絡めて記載しました。
今回は、コンサルタント資格取得前後でそれが実際にどうなったかを例を2つ挙げて(諸事情によりあまり具体的には書けませんが・・・)、私の独断と偏見で考察してみたいと思います。
事例1 あるハザードへの対応について
私が所属している研究所ではいろんな実験をしているため、各種ハザードがあります。私はスタッフとしてその各種ハザードへのリスク低減対策に日夜励んでいるのですが、その対策の考え方、取り組み方はコンサルタント資格取得後に大幅に向上したと自負しています。
一方、統括スタッフはどうかというと、個別の研究所のハザードまでは正直手が回らず、どちらかと言うと、研究所のスタッフである私に任せっきりという状態が過去も現在も続いています。
このことについては、統括スタッフの業務範囲やマンパワーの問題もありますし(勿論複数名居るのですが)、ハザード自体の特殊性、研究所の立ち位置の問題なども関係していることから、統括スタッフがハザードのことに疎くなることについて一概に良い悪いという切り口だけでは論じられないですし、私なりにしょうがないことと思っていました。また、そのことで私自身の特殊ハザード対応への優位性もあった訳です。
しかし、コンサルタント資格取得後に感じたことは、統括スタッフの立場にあるべき者がこれではダメだということを強く思うようになったことです。それは事業所全体を統括する立場としてあるべき姿ではないように感じたからです。
そして、統括スタッフへこの特殊ハザード対策とその難しさを理解してもらう取り組みを徐々に実施するようになっています(あまり具体的なことが書けないので何のこっちゃですが、すいません)。これこそが労働衛生コンサルタントとして、統括スタッフへの指導に当たることと意識して進めていることです(勿論そのことを口出してはできませんがあくまで意識の中でということです)。
事例2 ある立入り事象への対応
先日あるところからの立入事象が発生しました。それは私の所属する研究所の特殊ハザードに関するものでした。そのことに対して統括スタッフと共に対処することとなりました。
こうなると、当然ながら統括スタッフとスタッフである私との間で事前打ち合わせやら、当日の対応に関する協議が密に発生する訳です(今どき密はダメですよっ、と言いたいところですが・・・)。その中身をここで挙げることは差し控えますが、打ち合わせや協議が多々あると、相手の考え方やモノの見方などがこれまで以上によく分かる訳です。それは統括スタッフ側も同じです。
その過程では意見の相違があったりする訳です。統括スタッフも立入り事案への豊富な経験を持っていますから、簡単には引き下がりません。しかし、コンサルタントになった私もさらに強化された知識とそれに裏打ちされた特殊ハザード対策のエキスパートとして対抗する訳です。
勿論、日々法令に準拠して問題なく実施していれば何の問題もない訳です。ただ、それだけのことなのです。結果的にはそのことも含めて統括スタッフを納得させました。
そして、実際の立入り事案では全て私が対応して、何の問題もなく対応完了したのです。
そこで感じたことは「あ~、事業所での立場は「統括スタッフ>私」だけど、力量は「私>>>統括スタッフ」になったのね」と実感したことです(鼻にかけている訳ではないことをお断りしておきます)。
この2つの事例から、他者と比較した、自分の立ち位置が見えたような気がしたのです。
先日の記事で「見えている景色が違う」という表現をしました。これは偉そうに聞こえるかもしれませんが、例えて言うなら、これまでは富士山の6合目から景色を見ていたものが、今は頂上から見ているようなものです。
つまり、この特殊ハザードのことを理解してさらに対策を立てて日々実践していることや、それがどの法令の何に基づく行為なのか、はたまた、世間同行から見てそのレベルはどうなのか、などなど、全てを富士山の頂上から見ているような感覚になっています(繰り返し言いますが鼻にかけたり、人を見下している訳ではありませんからね)。
コンサルタントってそれだけ強力なのだなと思っています。これは私だけということではなく、コンサルタントになった方は少なからず同じように感じておられるのではないかと思います。そうでないとコンサルタントとしてコンサルティングができないと思います。
つまり、今の私は「統括スタッフを軽く陵駕する力量」であり、
私>>>統括スタッフ
になっていると感じています。それは、コンサルタントとしては当たり前のことであると共に、そうでなければならないのです。さらに、その力量の差をもっと広げることで、事業所内労働衛生コンサルタントとしての価値がupすると感じています。
ですから、これまで以上にもっと精進していかねばと感じているところです。
一方で、決して驕らないようにしなくてはと自分を戒めてもいます。
私はお馬鹿であることを自覚しています。それ故、偉そうにすることは嫌いですし、人を見下したりすることをしないように心がけています。
ですから、事業所内コンサルタントの立ち位置を理解した上で、私にしかできない「きめ細やかで人に優しいコンサルティング」ができるようになりたいと思っています。
事例と言いつつ、具体的なことがほとんど書けないため、読者の方は消化不良気味かもしれず申し訳ないのですが、雰囲気を感じていただけたらと思います。