化学物質管理専門家の要件 02

前回から数回シリーズで、化学物質管理専門家の要件をおさらいしています。

 

前回お示しした通り、専門家告示により示された化学物質管理専門家の要件は以下の通りです。

 

① 労働衛生コンサルタント試験(試験の区分が労働衛生工学であるものに限る)に合格し、登録を受けた者で、5 年以上、化学物質の管理に係る業務(粉じん則の適⽤除外の際には粉じんの管理に係る業務)に従事した経験を有するもの

② 衛⽣⼯学衛⽣管理者免許を受けた者で、その後 8 年以上、衛⽣⼯学衛⽣管理者の業務に従事した経験を有するもの

③ 作業環境測定士で、6 年以上作業環境測定士としてその業務に従事した経験を有し、かつ、厚⽣労働省労働基準局⻑が定める講習を修了したもの

④ ①から③までに掲げる者と同等以上の能⼒を有すると認められる者

 

今回は上記①の要件について少し深堀してみましょう。

 

①をポイントと考える部分に色付けして再掲します。

 

① 労働衛生コンサルタント試験(試験の区分が労働衛生工学であるものに限る)に合格し登録を受けた者で、5 年以上、化学物質の管理に係る業務(粉じん則の適⽤除外の際には粉じんの管理に係る業務)に従事した経験を有するもの

 

この①での第一のポイントは赤字部分です。同コンサル試験の試験区分には保健衛生と労働衛生工学の2つがありますが、保健衛生区分の合格者というだけでは化学物質管理専門家要件を満たさないということです。

 

この点についての行政の見解は、専門家告示の同パブコメ(*1)が参考になると思います。

 

*1:「「労働安全衛生規則第三十四条の二の十第二項、有機溶剤中毒予防規則第四条の二第一項第一号、鉛中毒予防規則第三条の二第一項第一号及び特定化学物質障害予防規則第二条の三第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める者(案)」及び「粉じん障害防止規則第三条の二第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める者(案)」に関する意見募集について」に対して寄せられた御意見について

 

パブコメの番号7の「御意見に対する考え方」にその見解があるので以下に抜粋します。

 

(前略)労働衛生コンサルタント(保健衛生)については、労働衛生工学が試験科目に含まれておらず、化学物質管理専門家の主要な業務である作業環境管理やばく露防止措置といった職務を実施することが困難であるため、化学物質管理専門家の要件に含めていません。(後略)

 

保健衛生区分のコンサルの中には化学物質管理に長けた方も居られるとは思いますが、私が知っている多くの同コンサルは化学物質については詳しくないと自認されている方が多い印象があります。従って、上記見解については私としては納得しています。

 

それともう一つのポイントは青字部分の「登録を受けた者」という部分です。コンサル試験に合格した後は???法第??条第?項に準じた登録を行うことを意味しています。

 

ここで問題です。

「???法第??条第?項」に当てはまる法令と条文番号をお答え下さい。

「えっ、分からない!」なんてことはないですよね、コンサル試験の口述試験対策で丸ごと覚えませんでしたか?こんなにお馬鹿な管理人・采々ですが未だに覚えていますよ・・・。

 

勿体ぶってごめんなさいですが、答えは安衛法第84条第1項ですよね。当該規定を以下に抜粋しますね。

 

(登録)

第八十四条 労働安全コンサルタント試験又は労働衛生コンサルタント試験に合格した者は、厚生労働省に備える労働安全コンサルタント名簿又は労働衛生コンサルタント名簿に、氏名、事務所の所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けて、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントとなることができる。

 

この登録をクリアしておく必要が専門家告示で規定されています。化学物質管理専門家要件を満たしたい方は登録必須ですよ~!

 

次回は要件①の後半部分以降を深堀してみたいと思います。

 

ということで、今日はここまで。

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