人間工学(エルゴノミクス)での気づき@コラム010

今日は、人間工学、またの名をエルゴノミクス、について最近気づきがありましたのでそのことをアウトプットしたいと思います。

 

その気づきを得たのは、先日参加した第61回近畿産業衛生学会(オンライン参加)でのことでした。

 

「快適なテレワークのために ~作業管理と作業環境管理を中心に~」(滋賀医科大学 社会医学講座 衛生学部門 辻村裕次助教)と題した教育講演があったのです。

 

講演概略は、自宅でのテレワーク下における、主に姿勢に関わる問題(筋骨格系症状)、眼性症状・疲労に関する問題、精神的疲労・疲弊の問題について、人間工学的視点からの作業管理、作業管理管理の在り方についてでした。

 

人間工学については、去年(2020年)、労働衛生コンサルタント試験の筆記試験の勉強をしている時に、衛生一般の過去問題にも人間工学関連の問題がたまに出ていたのでその過去問を解いたり、口述試験向けに厚労省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を勉強したりしていました。

 

その時には、試験の観点から言うと、人間工学はどちらかと言えばマイナーな分野であり、勉強したことを字面やイラストではそれなりに理解しているつもりでしたが、どちらかというと「ふーん」と言う感じであまり深く考えていませんでした。さらに、もっと正直に言うと「こういう知識って、コンサルタントの役に立つのかな?」とも思っていたのです。

 

しかし、しかし、ですね・・・

 

今回の教育講演を拝聴して人間工学に対する意識、認識がガラリと音を立てて変わったのですよ!!

 

テレワークに限らず、座り姿勢でのPC作業が筋骨格系に与える影響は、他の誰でもない自分自身が一番よく分かっているのですよ、昔からっ!!

 

しばらくPC作業をした後は、あ~、首が痛い、肩が凝った、腰が痛いな~、などなど。

 

作業に伴って避けられない、どうしようもないことだと思っていたのですね、私は。

 

これって、姿勢が悪いことも大きな要因ですが、机とPCと椅子の相互の配置の関係でも影響を受けるのですよ。それを個人の体格に合わせてしっかりセッティングせねばいけない訳です。

 

今回特に「そうだったのか!」と思ったのは、キーボードと肘の高さの関係です。自宅でPC作業をしていると、「なんだか前腕が辛いわ~」といつも思っていたのですが、これは、肘の高さが机とキーボードの位置よりも僅かに低かったために起こっていたことが今回の教育講演で分かったのです!!

 

これらのことを、これまでは知識として知っている「つもり」でした。しかし、それが知識になっておらず、私の中では単に情報としてストックされていただけだったことが分かったのです・・・。あ~、情けない・・・。

 

ただ、今回、そのことがようやく理解できたのです!!

私は気づいたのです!!

これって大事だなということを!!

 

何で大事だと気づいたかと言うと、事務作業における姿勢も労働衛生の観点からは大事だと気づいたからです(何をいまさらということですが・・・、言えば言うほどお馬鹿丸出し・・・)。

 

事務作業を主にしている労働者にとっては、週の労働時間が40時間労働として、そのほぼ全ての時間を机に座ってPC作業をしているのではないかと思います。

 

とすると、そのPC作業で毎日感じる首、肩、腰の疲れ、痛みが、毎週(40時間)、毎月(40時間×20日=800時間)、毎年(800時間×12カ月=9600時間、9600時間×何年・・・)と積み重なっていくと考えたら、「労働衛生上、見過ごせない、こりゃえらいこっちゃ、大変なことになるわ~」と気づいたからです。

 

重量物運搬や介護現場における重激業務における腰痛予防など、動的な作業姿勢やその改善ばかりに目を奪われ、PC作業の静的な作業姿勢の重要性に気付いていなかったのですね、お馬鹿な私は・・・。

 

このような作業姿勢を扱う人間工学はどちらかというと保健衛生の範疇と勝手に思い込んでしまっており、これまではあまり関心が無かったのも正直なところです。

 

意識の変化の背景には、ここ最近、Journal of Occupational Health (JOH) を読み込んでいたことも寄与したのだと思います。ここ最近の記事はCOVID-19に関するテレワークに関する記事が多く、また、医療従事者などの作業姿勢に関しての筋骨格系症状への影響の記事も多かったのです。

 

これらの状況が相まって、今回、お馬鹿な私は気づいたのだと思います(こうならないと気づけないのかお前はっ!とお叱りを受けますね)。

 

でもでも、遅ればせながら気づけて良かった~と思いました。お馬鹿だけれど、気づいたら一気に理解が進み、知識として定着します。そして、その知識をベースにアウトプット(行動)に移せる力が今の私にはあります。

 

まずは自分自身で行動に移して試しています。机とPCと椅子の位置を調整しながら試しています。また、今回触れませんでしたが、一連続作業時間についての気づきもあったので、それも試しています。

 

今後はそれを職場、事業所という風に、徐々に範囲を拡大しながらいろいろ試しながらアウトプットしていきたいと思っています。そして、皆を健康にしたいと思っています。

 

今からとても楽しみです!!

 

といういことで今日はここまで。

 

人間工学についての気づきでした(というより私のお馬鹿な恥さらしの回だったでしょうか・・・(汗))

 

 

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人間工学(エルゴノミクス)での気づき@コラム010” に対して2件のコメントがあります。

  1. EZ より:

    采々様、初めてコメントさせていただきます。
    3/22に労働衛生コンサルタント(衛生工学)に合格したものです。でも残念ながらこのサイトを見つけたのは3/24で、内容を拝見するともっと早くに出会っていればとちょっと後悔しました。
    さて、私は2020年4月から9月まで半年間、東京のワンルームマンションでデスクワークをしていました。単身赴任だったので、食事用の座卓を使ったり、廉価なシングルベッドを椅子代わりにしたりしていましたが、右手が肩から上に動かなくなり通販で、バンテリンサポーターや人間工学的なマウス、肘置きなどで矯正したのを思い出します。結局10/1から自宅から通勤できる事業所に移動になり、普通の生活に戻ったら肩・肘の痛みはさっぱりなくなりました。

    1. 采々 より:

      EZ樣
      はじめまして、管理人の采々です。
      コメントありがとうございます。

      ワンルームマンションでの作業はさぞかししんどかったようですね。今は元に戻ったようで何よりです。
      人間工学的な視点の大事さに気づいたのは最近なので、私も身の回りのものを自分に合ったものに
      することの大事さを感じはじめています。

      さて、衛生工学での合格、誠におめでとうございます‼︎
      こんなHPではありますが、いつでも遊びに来て下さいね。

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