放射性同位元素の下限数量について 03
「放射性同位元素の下限数量」について調べたことをアウトプットしています。
調査の目的は、下限数量については知っているつもりだったのですが、訳あって詳しく調べてみることにしました。その訳とは、下限数量と被ばくとの関連性について知ることです。
前回は非密封線源の定義について電離則での規定を調べました。
今回は、下限数量の値の意味について調べましたのでアウトプットしたいと思います。なお、特に断らない限り、以下、放射性同位元素は非密封線源のことを指します。
さて、下限数量の値の意味を調べるには「下限数量」と入力してGoogle博士に聞いたらしまいなのはよく分かっているのですが、それでは経緯も含めて調べようと思っている私の意図とは異なるので、下限数量が法令に導入された過去経緯を調べることにしました(私はいつも遠回りします~♪)。
下限数量の導入にあたっての過去の法令改正を調べたところ、平成17年厚生労働省令第98号の改正省令にて導入されたことが分かりました。このことが「電離放射線障害防止規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について」(基発第0601005号)にて説明されています。
改正の要点の一つとして以下の説明書きがありました。
1電離放射線障害防止規則の一部改正関係
(1)放射性物質の定義に国際免除レベルを採用することとしたこと。(第2条関係)
つまり、下限数量の値は「国際免除レベル」というものが採用されているということです。では、この国際免除レベルって何でしょうか?
調べようと思い、厚労省の放射線審議会の当時の議事録を探しましたが、残念ながら辿り着けませんでした(ここでも「国際免除レベル」て入力したりはしないですよん~、私は今回も遠回りします~♪)。
そこで、原子力規制委員会管轄のRI等規制法の方から攻めてみました。
その結果、「放射線審議会基本部会報告書「規制免除について」(2002年10月17日)」という報告書が見つかりました。
ちょっと脇道に逸れます。この報告書の時期は、放射線行政がまだ文科省で行われていた時期ですが、ここにある「放射線審議会」と、上述の私が見つけようとして見つからなかった厚労省の「放射線審議会」が同一のものなのか、別物なのかは定かではありません。ただ、報告書「規制免除について」の「1.はじめに」の文中に「平成13年1月の省庁再編に伴い、放射線審議会の体制も一新された。」との一文があることから、恐らく同一のものではないかと思います。当時の省庁再編経過を調べたら分かるのですが、今回の論点とは異なるため、「規制免除について」の中身を見ることを優先し、先を急ぎたいと思います。
さて、「放射線審議会基本部会報告書「規制免除について」(2002年10月17日)」について、一応目を通しましたが、中々のボリュームで、且つ、難解でした。
そこで、この報告書の概要を示した文書として、「IAEA国際基本安全基準(BSS)の規制免除レベル(放射線審議会基本部会報告書「規制免除について」の概要)平成14年11月」が見つかったので、そちらから引用する形で、概略を説明したいと思います。
ということで今日はここまで。少々疲れたので・・・。
次回はその概略説明をしたいと思います。