第31回日本産業衛生学会全国協議会/オンライン参加 01

2021年12月3日~5日に開催された第31回日本産業衛生学会全国協議会に情報収集を目的にオンライン参加しました。会期中へのオンライン参加はほとんどできなかったため、この年末年始のお休みを利用してオンデマンド配信をせっせと視聴しています。今回はその中で印象に残った講演とそれに対する私の感想について、簡単ですが、ご紹介したいと思います。

 

教育講演2 「溶接ヒュームとマンガンに関する政省令の改正について」小野真理子氏

 

これまで聴講した当該法改正に関する講演の中で一番分かりやすかったです。どこが分かりやすかったかというと、改正の背景として、ACGIH等によるマンガンのばく露限界値の設定の経緯、それを踏まえた国内での法制化の経緯が順序立てて丁寧に説明されたので、お馬鹿な私でもよく理解できました。特に、労働衛生コンサルタントにも馴染のあるrespirable粒子というキーワードも絡めた説明は面白かったです。

 

一方、溶接ヒュームについては管理濃度が設定されずに呼吸用保護具の着用義務が設定された背景もよく分かりました。溶接についての基本的知識の解説や、呼吸用保護具の着用に至る裏話的なことも少し聞くことができました。今、溶接の現場ではマンガンの測定が込んでいるそうです。改正法令に対応するために現場での混乱ぶりも何となく分かりました。

 

少し批判的なことを言いますと(演者に対してではなく法改正自体についてです)、今回の法改正についてはここまでやらねばなりませんか?というのが正直な感想です。改正の趣旨は理解できるものの、個人サンプリング法による溶接ヒュームの測定は中小企業にとってはコスト的にかなり大変だと思います。また、有効な呼吸用保護具の選定とフィットテストも現場では大変なのではと想像しております。そこに労働衛生コンサルタントの活躍の場があるということとは別の視点で少しだけ辛口コメントです。

 

ということで、今日はここまで。

 

 

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