換気シミュレーター@日本産業衛生学会
先日の記事で換気シミュレーターについて調べていると書きました。その後、同記事内とその後の記事で事務所等におけるCO2濃度を規定している法令について記載しました。
今回、ようやく換気シミュレーターについて書いてみたいと思います。
換気シミュレーターとは、日本産業衛生学会で開発されたシミュレーションソフトです。室内におけるcovid-19対策として二酸化炭素濃度を指標として換気を促す取り組みが行われている一環として、このソフトを使用することにより、換気の良否を判断することができます。詳細はリンク先をご覧下さい。
このソフトは衛生の知識が無くても簡単な質問に答えることで換気の良否を判断することができます。また、正確な換気量が分からない場合でも使用できますし、換気設備の有無で質問の内容が変化するなど、なかなか、面白い仕様となっています。
試しに、私が勤務している事業所内での事務室を仮想してシミュレーションしたところ、予測CO2濃度は「1520 ppm」で、換気状態は「悪い」という結果になりました。この結果を基に何等かの換気をしたらよいということになります。
前回記事から今回までの約一週間、事務室の私のデスクの上にデジタルのCO2計を置いて、2時間間隔でCO2濃度を測定してみました。さらにその時の部屋の在室人数、気温、湿度、エアコンとサーキュレーターの使用有無を記録したのです。ちなみに、事務室のドアは終日開放状態でした。
その結果、実測のCO2濃度は、他のパラメーターの如何に関わらず、概ね400~600 ppmの範囲となりました。CO2濃度に最も影響を与えたのは部屋の在籍人数です。無人状態で400 ppm。そこに、2、3名増える毎に50 ppm程度の上昇が見られました。
勿論、この測定自体は簡易なデジタルCO2計で計測したものです。ちなみに、事務所則では第8条に測定方法が規定されていますのでご参考まで。
(測定方法)
第八条 この章(第七条を除く。)に規定する次の表の上欄に掲げる事項についての測定は、同表の下欄に掲げる測定器又はこれと同等以上の性能を有する測定器を使用して行うものとする。二酸化炭素の含有率 検知管方式による二酸化炭素検定器
今回、換気シミュレーターの予測結果と実測に差が出たのは、部屋の扉を開放状態にしていることが大きな要因だったと推測しています。
COVID-19対策として、企業では、部屋の在籍人数の調整に悩ませられている方が多く居られることと思います。三蜜回避やマスク着用など、基本的な対策を行った上で、換気シミュレーターで予測を行い、実測を見える状態で行うことは有効だと思います。
「CO2濃度が上がってきたから換気をしよう」、ということで良いと思います。
今日はここまでです。