改正電離則 おさらい①
過去の記事で電離則関係の記事を書きました。令和3年度4月1日付けで電離則が改正されました。改正された電離則は改正電離則と呼ばれています。
今回、改めて非密封RIとX線装置に関して、改正電離則の関係個所を調べる機会がありましたので、改正ポイント以外も含めて個人的に気になった部分や気づきを、何回かに分けて備忘的に記載したいと思います。
その前に電離則は何を規定している省令かというと、それは第1条に記載されている通りです。
(放射線障害防止の基本原則)
第一条 事業者は、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならない。
つまり、主語は「事業者」なので「事業者」は「努めなければならない」のです。では何に努めるかと言うと「労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように」努めるということです。
安衛法は、労働者の健康と安全を確保するために、事業者に対して安全で衛生的な職場環境を提供するための様々な措置を義務付けしている法律です。
ですから、安衛法の特別衛生規則11本の中の1本である電離則でも、同様な義務が生じている訳ですね。
さて、ここからが本題です(いつも前置きが長いのですが、一つ一つ気になったことは調べないと気が済まないお馬鹿な私なので勘弁してね)。
まず、定義関係です。
第二条第3項に放射線業務の定義が記載されています。
第二条
3 この省令で「放射線業務」とは、労働安全衛生法施行令(以下「令」という。)別表第二に掲げる業務(第五十九条の二に規定する放射線業務以外のものにあっては、東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(平成二十三年厚生労働省令第百五十二号。以下「除染則」という。)第二条第七項第一号に規定する土壌等の除染等の業務、同項第二号に規定する廃棄物収集等業務及び同項第三号に規定する特定汚染土壌等取扱業務を除く。)をいう。
ということで詳細は令別表第二の通りとなっています。
別表第二 放射線業務(第六条、第二十一条、第二十二条関係)
一 エツクス線装置の使用又はエツクス線の発生を伴う当該装置の検査の業務
二 サイクロトロン、ベータトロンその他の荷電粒子を加速する装置の使用又は電離放射線(アルフア線、重陽子線、陽子線、ベータ線、電子線、中性子線、ガンマ線及びエツクス線をいう。第五号において同じ。)の発生を伴う当該装置の検査の業務
三 エツクス線管若しくはケノトロンのガス抜き又はエツクス線の発生を伴うこれらの検査の業務
四 厚生労働省令で定める放射性物質を装備している機器の取扱いの業務
五 前号に規定する放射性物質又は当該放射性物質若しくは第二号に規定する装置から発生した電離放射線によつて汚染された物の取扱いの業務
六 原子炉の運転の業務
七 坑内における核原料物質(原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第三号に規定する核原料物質をいう。)の掘採の業務
X線装置を取り扱う業務は放射線業務とはっきり書かれています。一方、非密封RIを使用する場合には、別表第二第5項が関係していると読める訳ですね。こちらは少々分かり難いですが・・・。
今日はここまで。
次回は被ばく限度です。
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