工場等での粉じん作業で使用する防じんマスクの回収について

1月24日付けの厚生労働省HPの新着情報として「工場等での粉じん作業で使用する防じんマスクの回収について」がプレスリリースされました。

 

概要は、防じんマスク(使い捨て式)について、出荷後に時間が経つと粉じんを捕集する能力が低下し、国家規格を下回るようになる製品があることが判明したため、厚生労働省では販売者に対して当該製品の回収を要請するとともに、直ちに使用を中止するよう広く注意喚起を行うため、ホームページでその事実を公表した、とのことです。

 

当該HPにある別添資料に詳細が記載されております。型式検定に合格した使い捨て式防じんマスクについて、販売者による自主検査の結果、経時的に粒子捕集効率が低下し、国家規格を満たさないこととなる製品があることが判明したとの報告が、厚生労働省に対して行われた結果、上述概要の通りの回収に至ったようです。ただ、その原因は現在調査中とのことです。

 

規格不適合の内容は抜粋すると以下の通りです。

 

規格不適合の内容(クラレクラフレックス社からの報告による):

粒子捕集効率が 95%以上の使い捨て式防じんマスクについて、出荷後の社内試験において、粒子捕集効率が以下のとおり低下していることを確認した。

令和元年 10 月製造品(出荷時 99.61%):

平均 91.98%、90.23%~94.65%(試験数7)

令和元年 12 月製造品(出荷時 99.05%):

平均 95.11%、93.51%~96.51%(試験数 5)

 

ということで、ここまではプレスリリースの単なる情報伝達に過ぎませんが、ここからは内容について少し考えてみましょう。

 

まず、DS2という防じんマスクの規格です。DS2と聞くと、ギクッとするのは私だけでしょうか。昨年のこの時期、労働衛生コンサルタントの口述試験でまさに「DS2のマスクについて説明して下さい」と問われ、きちんとお答えできなかった苦い思い出があります。詳細は当HPにある合格体験記をご覧くださいませ。

 

つまり、DS2のDはDisposable、使い捨て式で、SはSolid、固体粒子用で、2は95%以上の補修効率を有する防じんマスクのことです(あ~、一年前はこれが答えられなかったんです~、この質問のおかげでしっかり覚えることができました。試験官の方、ありがとうございますっ)。

 

このDS2として当初型式検定試験で99%以上の補修効率(95%以上を達成していた)だったものが、95%以上を担保できなくなったということです。

 

資料によると、これは自主検査の結果であり、経時的に低下とのことです。型式検定制度については現時点では不勉強のためよく分かりません。自主検査をした結果を公表する義務があるのかも含めてです。

 

ただ、DS2と謡った製品を、防護係数から算出して使用していて、かつ、そこに安全係数の余裕がない状態で使用していれば、マスク内の濃度が許容濃度を上回る状態となる可能性も出てきますから、健康影響が否定できなくなります。その点では、販売者責任として公表する必要は大いに有りとなりますね。

 

勿論、フィッティングテストをしっかり実施している前提ですよ。

 

補修効率低下の原因は現在調査中とのことですが、これも続報が入手できればレポートしたいと思います。

 

ということで今日はここまで。

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)