国際規制物資の使用等に関する規則 09
数回シリーズで国際規制物資の使用等に関する規則についてインプットしたことをアウトプットしたいと思います。
今回この規則について勉強する主な理由は、国際規制物資を管理する場合の対応を知るためであり、管理対象として想定しているのは大学や研究機関で使用される少量の核燃料物質の代表格とも言える酢酸ウラン、硝酸ウランなどです。
前回は則第4条の2をみましたので、今回は規則の第4条の2の2となります。
さて、当該規則のメインとも言える計量管理規定です。則第4条の2の2の規定を炉規法第61条の8の規定と共にみましょう。
則
(計量管理規定)
第四条の二の二 法第六十一条の八第一項の規定により計量管理規定の認可を受けようとする者は、認可を受けようとする工場又は事業所ごとに、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる事項について、計量管理規定を定め、これを記載した申請書を原子力規制委員会に提出しなければならない。
(計量管理規定)
第六十一条の八 国際規制物資使用者、第六十一条の三第一項各号(第一号を除く。)のいずれかに該当する場合における当該各号に規定する者並びに同条第五項、第六項、第八項及び第九項に規定する者(以下「国際規制物資使用者等」という。)は、国際規制物資の適正な計量及び管理を確保するため、原子力規制委員会規則で定めるところにより、計量管理規定を定め、国際規制物資の使用開始前に、原子力規制委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 原子力規制委員会は、計量管理規定が国際規制物資の適正な計量及び管理を確保するために十分でないと認めるときは、前項の認可をしてはならない。
3 原子力規制委員会は、国際規制物資の適正な計量及び管理を確保するため必要があると認めるときは、国際規制物資使用者等に対し、計量管理規定の変更を命ずることができる。
4 国際規制物資使用者等及びその従業者は、計量管理規定を守らなければならない。
計量管理規定について、炉規法と則をセットで見ると非常に分かりやすいですね。つまり、使用者等は保障措置を実施するための国際約束の下に計量管理規定を使用開始前に定め、当局の認可を受け、その後はそれを遵守するとなっています。
ちなみに計量管理という用語自体の定義は炉規法にも則にも記載されていませんが、要は在庫管理のことになります。その内容が原子力規制委員会のHPに掲載されているので下記に抜粋します。
計量管理とは
原子炉等規制法では、日・IAEA保障措置協定や二国間原子力協力協定といった国際約束に基づく保障措置の適用を受ける核物質や設備・資材を、国際規制物資として規制しています。
原子力事業者は、原子炉等規制法に基づき、施設で核物質を取扱う場所を定め、その区域で一定期間に搬入・搬出される核物質の増減、そして現在の核物質の在庫の量を厳密・正確に管理し、原子力規制委員会に報告しています。この報告は、いわば厳密な家計簿のようなもので、核物質の在庫量の管理は計量管理と呼ばれています。国は、事業者から受け取った計量管理報告書を取りまとめ(国の委託により、原子炉等規制法に基づく指定情報処理機関が報告内容の整理・解析を実施)、IAEAに提出しています。
以下に、則第4条の2の2の規定に基づく例として、区分として「国際規制物資(核燃料物質を除く。以下この表において同じ。)の使用を行う場合」の計量管理規定に定めるべき事項を抜粋します。
事項:
一 国際規制物資の計量及び管理を行う者の職務及び組織に関すること。
二 国際規制物資計量管理区域の設定及び当該国際規制物資計量管理区域に付する符号に関すること。
三 設備を同定する方法及び当該方法により同定した設備の符号の付し方に関すること。
四 国際規制物資の国際規制物資計量管理区域への受入れ、国際規制物資計量管理区域からの払出し又は廃棄が行われた場合の当該国際規制物資の計量及び管理に関すること。
五 前号に掲げる場合のほか、消費、事故損失等により国際規制物資に増加又は減少が生じた場合の当該国際規制物資の計量及び管理に関すること。
六 国際規制物資の計量及び管理に関する記録に関すること。
七 その他国際規制物資の計量及び管理に関し必要な事項
この内容から赤字部分を計量管理規制に定めるべきということです。これらはいわゆる出納の帳簿のようなものですね。
ということで今日はここまで。
次回は続きをアウトプットしますね。