労働基準監督制度③
安衛法における労働基準監督制度について調べてみて、分かったことをアウトプットしたいと思います。
前回記事では労働基準監督官について書きました。
今回は産業安全専門官、労働衛生専門官等について調べたことをアウトプットしたいと思います。
産業安全専門官、労働衛生専門官については安衛法第93条に規定があります。
(産業安全専門官及び労働衛生専門官)
第九十三条 厚生労働省、都道府県労働局及び労働基準監督署に、産業安全専門官及び労働衛生専門官を置く。
2 産業安全専門官は、第三十七条第一項の許可、特別安全衛生改善計画、安全衛生改善計画及び届出に関する事務並びに労働災害の原因の調査その他特に専門的知識を必要とする事務で、安全に係るものをつかさどるほか、事業者、労働者その他の関係者に対し、労働者の危険を防止するため必要な事項について指導及び援助を行う。
3 労働衛生専門官は、第五十六条第一項の許可、第五十七条の四第四項の規定による勧告、第五十七条の五第一項の規定による指示、第六十五条の規定による作業環境測定についての専門技術的事項、特別安全衛生改善計画、安全衛生改善計画及び届出に関する事務並びに労働災害の原因の調査その他特に専門的知識を必要とする事務で、衛生に係るものをつかさどるほか、事業者、労働者その他の関係者に対し、労働者の健康障害を防止するため必要な事項及び労働者の健康の保持増進を図るため必要な事項について指導及び援助を行う。
4 前三項に定めるもののほか、産業安全専門官及び労働衛生専門官について必要な事項は、厚生労働省令で定める。
これを見ると、産業安全専門官は安全担当、労働衛生専門官は衛生担当ということが分かります。
そして、産業安全専門官、労働衛生専門官にはどのような権限があるかは同第94条に規定があります。
(産業安全専門官及び労働衛生専門官の権限)
第九十四条 産業安全専門官又は労働衛生専門官は、前条第二項又は第三項の規定による事務を行うため必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査し、若しくは作業環境測定を行い、又は検査に必要な限度において無償で製品、原材料若しくは器具を収去することができる。
2 第九十一条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
つまり、産業安全専門官、労働衛生専門官は事業場に立入り、各種検査を実施することができる訳です。第92条第1項の規定は同第2項に規定されているように「立入検査」という訳ですね。
立入検査が実施される際には事前連絡はあるのでしょうか?それについては分かりませんが、法第93条関係で問題事項が発生した場合にはきっと予告なくあるのでしょうね。ただ、問題事項が無くてもこのような立入検査が行われるのかについてもよく分かりません。
ご参考として厚生労働省による「労働基準監督署の役割」という資料がありました。ここにこの辺りのことが少し記載されています。検査の結果、重大悪質な事案の場合には「送検」ということもあるようです。怖いことですが、そもそも、事業所で送検に至るような管理状況をしていることが問題なので、そうならないように日々気を引きしめておきたいと思います。
「労働安全衛生法のはなし」(畠中信夫著、中災防ブックス)によりますと、立入検査は臨検監督とも言われるようです。国内で労基法が適用される事業所数は400万を超えるらしく(めちゃ多い!!)、臨検監督の件数は年間年間17万件程度とのこと。単純計算では全事業所を1周するのにも20年以上要することになりますね。
今日はここまで。
次回は監督機関の権限についてさらに見ていきたいと思います。