労働衛生工学の労働衛生コンサルタントは保健衛生のコンサルからどう見られているのか @コラム16
労働衛生工学の労働衛生コンサルタントは保健衛生のコンサルからどう見られているのかについて、その一端を図らずも垣間見る機会がありましたのでアウトプットしたいと思います。
先日、とある集まりに参加したのですが、その時の参加者の多くは保健衛生の労働衛生コンサルタントの方(歯科医師)で、労働衛生工学のコンサルは私一人だけだったのです。歯科医師さんが多いだろうということは事前に知っていたのですが、そのうちの半分ぐらいの方が保健衛生の労働衛生コンサルタントであることに後で名刺交換をするときに気が付きました。
まず、異変があったのは受付の時でした。私が氏名を受付の方に申し上げた際に、「あっ、労働衛生工学の方ですよねっ」と言われました。はいそうです、とお答えすると、何だかザワザワしはじめ、その受付の先に居られた、その集まりの代表の方が「衛生工学の方ですか、この度は・・・」となり、・・・の部分では何だかとても褒め言葉が連呼されたのです。
(何だかおかしな雰囲気・・・)という私の心の声。
その後、誰も知り合いが居ない私は空いている席に腰かけて配られた資料を眺めていると、先ほどの集まりの代表の方が他の方に「あの方が衛生工学の方ですよ・・・」とひそひそ話している声が聞こえました。
(またまた何だかおかしな感じ・・・)
そして、気がつくと、入れ替わり立ち代わり、名刺交換が始まったのです。
その際に以下のようなことを言われました(括弧は私の心の声です)。
Aさん「衛生工学で労働衛生コンサルタントを取られたんですか、そりゃ凄い!!」
(はあ、そうなんですか・・・、そう思っておられるんですか???)
Bさん「私らは筆記試験なしで受けてますからね、しかもお目こぼしで受かったようなもんや」
(筆記試験なしで受けられる医師、歯科医師の方が多いのは知っていますけど、お目こぼしなんてあるんですか、初耳???)
Cさん「筆記試験なしでも何度も落ちてますから、工学の難しい試験をパスされて受かったなんて信じられん」
(何度も落ちる方がいるのと、工学の筆記試験が保健衛生よりも難しいと言われているのも知っていますが、何回落ちたか教えてほしい、参考までに・・・)
なんていうことを散々言われました。
最初は社交辞令なのかな、と思って聞いていたのですが、半分お世辞半分本気のような感じだったのです。褒められたら悪い気はしないのですが、私自身は褒め言葉って良い意味でも悪い意味でも(?)気にしないので、だからどうって訳ではないのですが、労働衛生工学の労働衛生コンサルタントが保健衛生のコンサルからどう見られているのかの一端が垣間見えたという個人的には貴重な体験をしました。
その後は、集まりの本題がはじまるまでの間、最近の労働衛生におけるトレンドである「職場における化学物質の管理のあり方検討会」についての衛生工学の立場からの意見を求められたり、本題に入ったら入ったで、分野違いのことにド素人の私に対して「工学の方はどう思われますか?」と質問を振られたりしました・・・。
今回はある意図があって分野違いの集まりに参加したのですが、その収穫は少なかったのですが、上記のように労働衛生コンサルタントになってからこれまで体験したことのなかったことを体験できて良かったと思います。
その他の収穫として、労働衛生工学のコンサルの若い人(この世界でという意味)が少なくて困っているということを肌で感じることができました。
ということで今日はここまで。