労働基準監督制度⑥
安衛法における労働基準監督制度について調べてみて、分かったことをアウトプットしたいと思います。
前回記事では監督機関の権限まで書きました。
今回は労働基準監督署の行政的関与について書いてみたいと思います。
法第103条には書類の保存等に関する規定があります。
(書類の保存等)
第百三条 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律又はこれに基づく命令の規定に基づいて作成した書類(次項及び第三項の帳簿を除く。)を、保存しなければならない。
2 登録製造時等検査機関、登録性能検査機関、登録個別検定機関、登録型式検定機関、検査業者、指定試験機関、登録教習機関、指定コンサルタント試験機関又は指定登録機関は、厚生労働省令で定めるところにより、製造時等検査、性能検査、個別検定、型式検定、特定自主検査、免許試験、技能講習、教習、労働安全コンサルタント試験、労働衛生コンサルタント試験又はコンサルタントの登録に関する事項で、厚生労働省令で定めるものを記載した帳簿を備え、これを保存しなければならない。
3 コンサルタントは、厚生労働省令で定めるところにより、その業務に関する事項で、厚生労働省令で定めるものを記載した帳簿を備え、これを保存しなければならない。
同条第1項の規定は、事業者の義務規定ですが、同時に、労働基準監督官等が事業所への立入検査をした場合に、法が確実に遵守されているかを把握するための監督の一助としても課している規程です。
同項で作成した書類は各規則で規定された期間、保存しなければなりません。短くて3年間、長くて40年間保存となります。
40年間保存となる書類には特化則、石綿則の書類があり、これらについては労働衛生コンサルタント試験にもよく出題されますので、受験される方は要チェックです。
また、コンサルタント関係と言えば、同条第3項の規定があるのですね。コンサルタントとして業を行った場合には、この規定に基づき帳簿を備え、保存しなければなりません。
同項で言う省令とは「労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント規則」となります。その第22条に対応する帳簿が規定されています。
(帳簿)
第二十二条 コンサルタントは、次の各号に掲げる事項を記載した帳簿を備え、これを記載の日から三年間保存しなければならない。
一 依頼者の氏名(法人にあつては、その名称)及び住所
二 依頼を受けた年月日
三 実施した診断の項目
四 依頼者から受けた報酬の額
私はいずれコンサルタント業を実施したいと考えているので、そのあかつきにはこの規定に準拠した対応をしっかり執る必要がある訳です。
また、コンサルタント業を実施した際には、私のコンサルタント事業所も、労働基準監督官の立入検査対象となる可能性がある訳です。そのことをしっかり意識しておかねばなりませんね。
今日はここまで。
次回は、その他の労働基準監督署の行政的関与について書いてみたいと思います。