作業環境測定を一から十まで自分でやってみようと思うのですが 08

昨年、第2種作業環境測定士の登録講習を終え、晴れて第2種作業環境測定士になりました。当初は自ら作業環境測定をするつもりはありませんでしたが、今後、自分でやってみようという気になりました。そこで、自分でやる時にどうすればよいのか、手順を一通り確認して整理しておこうと思いました。そこで、今回調べたことを数回シリーズでアウトプットしていこうと思います。

 

前回は、作業環境測定基準第13条第2項でn-ヘキサンの測定に検知管法が使えることを確認できました。

 

今回は、基準第13条第2項について、前回触れなかった部分を見ていきたいと思います。

 

前回、n-ヘキサンの測定では検知管も使えることが分かってほっとしました。しかし、検知管の使用で気を付けるべきことがあります。この法第13条第2項については下記の解釈例規(基発第604号)があるからです。

 

本項各号に掲げる物質について検知管方式による測定機器を用いる方法を認めたのは、これらの物質については管理濃度の一〇分の一の濃度を精度良く測定できる検知管が製造されていることを勘案したものであって、これら物質に係る検知管のすべてについて、それによる方法を認めるものではないこと

 

この解釈例規を踏まえると、検知管なら何でも使って良い訳ではなく、管理濃度の10分の1の濃度を測れる検知管を使用しないといけないのです。

 

今回のn-ヘキサンについて考えてみましょう。

 

n-ヘキサンの管理濃度は40 ppmです。その10分の1は4 ppmとなります。これをガステックさんの製品カタログで探してみると、測定範囲が4~1200 ppmとなっている検知管名「102L」、同2~80 ppmの「102TP」という商品であれば4 ppmが測れますから使用可能とみることができます。製品カタログの備考欄にも作業環境測定用と記載されています。

 

ただし、解釈例規中の「管理濃度の一〇分の一の濃度を精度良く測定できる検知管」の赤字部分の記載をどう解釈するかによるのですが、上記2つの商品のうち4~1200 ppmの測定範囲の商品では4 ppmの目盛りの判読ができるのかが一見して気になりました。

 

なお、結論としては大丈夫そうなのです。理由としては、検知限度が1 ppmとなっていることです。図の最低目盛りが50 ppmに見えるので本当にそれが判別できるのかという疑問が湧きますが、短時間用検知管個別仕様の見方という説明にその辺りの見方が記載されていますのでご参照下さい。

 

また、改めて第13条第2項を見てみましょう。

 

(有機溶剤等の濃度の測定)

2  前項の規定にかかわらず、空気中の次に掲げる物(特化則第三十六条の五において準用する有機則第二十八条第二項の規定による測定を行う場合にあつては、第十条第二項第五号、第七号又は第九号から第十一号までに掲げる物を含む。)の濃度の測定は、検知管方式による測定機器又はこれと同等以上の性能を有する測定機器を用いる方法によることができる。ただし、空気中の次の各号のいずれかに掲げる物(特化則第三十六条の五において準用する有機則第二十八条第二項の規定による測定を行う場合に あつては、第十条第二項第五号、第七号又は第九号から第十一号までに掲げる物のいずれかを含む。)の濃度を測定する場合において、当該物以外の物の測定値に影響を及ぼすおそれのあるときは、この限りでない

 

上記の第13条第2項の中段以降の青字部分の記載には注意が必要です。

 

つまり、n-ヘキサンを検知管で測定する場合にその測定値に干渉してしまう恐れのあるものがあれば検知管法は使用できないということです。

 

その干渉の恐れのあるガス(化学物質)が、ガステックさんのカタログには親切に掲載されています。個人的に気になるものとしては、アルコール類,エーテル類,エステル類、C3以上の有機溶剤です。これらは私が対象としている作業場では十分使用される可能性があるので、測定日には気をつけようと思います。

 

ということで、今日はここまで。

 

 

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