電離則/再勉強/迷宮編 その⑦

これまで何度か改正電離則の内容をおさらいしましたが、今回、どうしても気になることがあって再度勉強することにしました。その勉強したい内容は以下の通りです。

 

  • X線装置の定義は?(ある一定以上の条件があったような・・・それは何だったかな?)⇒前回記事で解決っ!!
  • 管理区域の要件は?(管理区域を設けなくてよい条件があったような・・・)⇒前回記事で解決っ!!
  • 作業主任者の選任要件は?(選任しなくても良い除外規定があったような・・・)⇒前回記事で解決っ!!

 

前回までに調べたいことは全て解決したのですが、その調査過程で思わぬ迷宮に入り込んでしまいました。

 

前回はその迷宮に入ったところまでを書いたのですが、今回はその続きをアウトプットします。

 

前回記事で、迷宮に入り込むきっかけとなった令第6条第5項を見ますと以下の通りです。

 

五 別表第二第一号又は第三号に掲げる放射線業務に係る作業医療用又は波高値による定格管電圧が千キロボルト以上のエツクス線を発生させる装置同表第二号の装置を除く以下「エツクス線装置」というを使用するものを除く

 

この赤字の部分が「エックス線装置の定義規定」にあたる訳です。そこで、この条文からエックス線装置の定義を深掘りしていこうと思ったのですが・・・、なんと、この本文がうまく理解できなかったことから、迷宮に入ったのです。

 

ここから真の迷宮に入るのですが、もう一度書きますと、エックス線装置の定義を理解しようと深掘りを始めたのですが、本来の定義規定は別にあるのに(あとで書きますが)、そこを起点とせず、別の条文となる令第6条第5項を起点としたため、このあと、分かるはずのものが分からないという迷宮に入り込むことになるのです・・・。

 

さて、この令第5条は作業主任者を選任すべきエックス線業務の規定でしたよね。「作業主任者の選任すべき業務の条文に、何でエックス線装置の定義が書いてあるのよっ!!」という思いがありつつ、その定義がいまいち理解できないのです。

 

本文は緑字の部分だけであっさりしているのですが、問題はその後の括弧書きの部分です。括弧がなんと二つもあります。そのいずれもが除外規定の役割(ピンク字の「除く」という部分)をしているのです。

 

つまり、二重除外のような規定になっていることで難解さを増しているのです。ここが理解できなかったのです。

 

何でうまく理解できないかと言うと、「除く」が2回使われていること、さらに、「千キロボルト以上のものは除く」と読める部分があり、「なぜ高い電圧のものが除かれるの?本来は高い電圧の方こそ対象に含めないといけないんじゃないの?という素朴な疑問が出てきたのです(そう思うのはお馬鹿な私だけですか?)。

 

ということで、この令第6条第5項は難解なので、一つ一つ文を分解して考えてみました(これはお馬鹿な私の頭では一発で理解できないため、私自身の理解のために敢えてやった作業です・・・お付き合い下さいませ・・・)。

 

まず、括弧書き部分のみ抜き出すと以下の通りです。以下は新たに色付けしたものです。

 

医療用又は波高値による定格管電圧が千キロボルト以上のエツクス線を発生させる装置(同表第二号の装置を除く以下「エツクス線装置」という。を使用するものを除く。)

 

ここで赤字部分だけを素直に読むと、「医療用又は波高値による定格管電圧が千キロボルト以上のエツクス線を発生させる装置を使用するものを除く。」とは、これに該当する装置を使用する作業は作業主任者の選任は不要ということです(でもでも、なぜ電圧の高いものを除くって逆じゃないの?という疑問は残ったまま)。

 

そして、ピンク字部分だけ抜き出すと以下の通りです。

 

同表第二号の装置を除く。

 

この同表第二号の装置とは、放射線業務を規定した令別表第二第二号を示しています。そこで、令別表第二第二号を見てみましょう。

 

二 サイクロトロン、ベータトロンその他の荷電粒子を加速する装置の使用又は電離放射線(アルフア線、重陽子線、陽子線、ベータ線、電子線、中性子線、ガンマ線及びエツクス線をいう。第五号において同じ。)の発生を伴う当該装置の検査の業務

 

この中でピンク字の「イクロトロン、ベータトロンその他の荷電粒子を加速する装置」のことを同表第二号の装置として指しており、「同表第二号の装置を除く」と規定していることから、「医療用又は波高値による定格管電圧が千キロボルト以上のエツクス線を発生させる装置」からはサイクロトロン、ベータトロンその他の荷電粒子を加速する装置および電離放射線(アルフア線、重陽子線、陽子線、ベータ線、電子線、中性子線、ガンマ線及びエツクス線をいう)の発生を伴う当該装置」は除かれるのです。

 

そして、括弧書きの中の緑字の部分「以下「エツクス線装置」という。」は、突然エックス線装置の定義として登場する規定です。エックス線装置の定義を探していて見つからないから棚上げしていたのでに突然目に飛び込んできたのです。

 

つまり、「医療用又は波高値による定格管電圧が千キロボルト以上のエツクス線を発生させる装置」からサイクロトロン、ベータトロンその他の荷電粒子を加速する装置および電離放射線(アルフア線、重陽子線、陽子線、ベータ線、電子線、中性子線、ガンマ線及びエツクス線をいう)の発生を伴う当該装置」が除かれた装置は「エツクス線装置」という、と読めます。

 

ということで今日はここまで。

 

次回は続きを書きます。

 

 

 

 

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