有機溶剤中毒予防規則/適用除外規定 07

数回シリーズで有機溶剤中毒予防規則(以下、有機則)の適用除外規定についてインプットしたことをアウトプットしたいと思います。

 

前回記事(2022年1月17日)では有機則第3条第1項柱書について、則第2条との違いを示しながら説明しました。

 

今回は、則第3条の残りとなる第1項各号列記および第2項についてアウトプットしてみますね。

 

では、有機則第3条の規定です。

 

第三条 この省令(第四章中第二十七条及び第八章を除く。)は、事業者が第一条第一項第六号ハからルまでのいずれかに掲げる業務に労働者を従事させる場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該業務については、適用しない。この場合において、事業者は、当該事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。)の認定を受けなければならない。

一 屋内作業場等のうちタンク等の内部以外の場所において当該業務に労働者を従事させる場合で、作業時間一時間に消費する有機溶剤等の量が有機溶剤等の許容消費量を常態として超えないとき。

二 タンク等の内部において当該業務に労働者を従事させる場合で、一日に消費する有機溶剤等の量が有機溶剤等の許容消費量を常に超えないとき。

2 前条第二項の規定は、前項第一号の作業時間一時間に消費する有機溶剤等の量及び同項第二号の一日に消費する有機溶剤等の量について準用する。

 

赤字部分および青字部分が今回アウトプットする部分となります。

 

まず則第3条第1項各号列記部分の赤字部分は則第2条と同じ内容になりますので、詳細は前々回記事(2022年1月16日)をご参照下さい。異なるのは青字部分となります。

 

つまり、有機溶剤等の許容消費量について、「屋内作業場等のうちタンク等の内部以外の場所では常態として超えない」、「タンク等の内部においては常に超えない」ということです。

 

ムムムッ、「常態として」と「常に」の違い・・・。難しいですね。

 

広辞苑無料検索によると「常態」とは「いつもの状態。普通の状態。」であり、「常に」とは「永久に。かわらず。」と出てきます。意味上はこの通りとなり、「常態として」よりも「常に」の方が厳しめということですね。

 

つまり、「タンク等の内部においては常に超えない」なので、「タンク等の内部」=「屋内作業場等のうち、通風が不十分な場所」➡「換気が十分に行われない場所」だから、「常に超えない」ようにすべきということです。

 

また、これらについては通達「有機溶剤中毒予防規則の施行について」(基発第929号 S35.10.31)で解釈例規が出ておりますのでみてみましょう。

 

第2条及び第3条は、ともに有機溶剤等の消費量が少量の場合における適用除外を規定したものであるが、第2条の規定は、作業時間1時間又は1日に消費する有機溶剤等の量が有機溶剤等の許容消費量をこえない状態が一時的のものであっても適用されるのに対して、第3条の規定は、常態としてか又は常にそのような状態にある場合に限り適用されるものであること。

 

則第3条の「常態として」と「常に」に対して、則第2条は「こえない状態が一時的」となっています。つまり、「こえない状態が一時的」<「常態として」<「常に」という関係が成り立っていて、「常態として」以降は則第3条の規定の通り、所轄労働基準監督署長の認定を受けなければならないという訳です。

 

ということで、今日はここまで。

次回は続きをアウトプットする予定です。

 

 

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)