医療現場での被ばく管理の問題点@その4

医療現場での被ばく管理の実態についてまとめてアウトプットしています。

 

前回は、どうやったら医療現場での被ばく管理は適正化されるのかを下記2点のキーワードで考えてみるということで、まずは、前者の「医療現場における放射線取扱主任者の在り方の改革」について私なりの提言をしてみました。今回もその続きとなります。

  • 医療現場における放射線取扱主任者の在り方の改革
  • 安全文化の構築

 

医療現場における放射線取扱主任者の在り方の改革(続き)

 

医師=試験なしで放射線取扱主任者になれる➡医療機関として放射線発生装置を診療のために用いることができる➡しかし、多くの医療機関で被ばく管理が適正に実施されない状況➡医師である放射線取扱主任者の機能不全が原因の一つ」という流れがあるとしたら、この流れの上流部分(医師=試験なしで放射線取扱主任者になれる)を改革すべきというのが前回の提言でした。

 

その観点で少し深掘りをしたいと思います。

 

医療現場において、医療被ばくの主な原因となる人への電離放射線の照射をするには「放射性同位元素等の規制に関する法律」(RI等規制法)の規制を受けますが、その際には医師を放射線取扱主任者として選任する必要があります。

 

さらに、RI等規制法では放射線障害予防規程の作成を義務付けています。

 

(放射線障害予防規程)
第二十一条 許可届出使用者、届出販売業者(表示付認証機器等のみを販売する者を除く。以下この条において同じ。)、届出賃貸業者(表示付認証機器等のみを賃貸する者を除く。以下この条において同じ。)及び許可廃棄業者は、放射線障害を防止するため、原子力規制委員会規則で定めるところにより、放射性同位元素若しくは放射線発生装置の使用、放射性同位元素の販売若しくは賃貸の業又は放射性同位元素若しくは放射性汚染物の廃棄の業を開始する前に放射線障害予防規程を作成し、原子力規制委員会に届け出なければならない

 

このことは当然ながら、放射線発生装置を用いる医療機関にも適用されます。

 

この予防規程とは、事業所内での放射線管理に関する諸々のことを自ら規定した文書です。当然、被ばく管理のことも規定されているのです。規定したことはしっかり守らないといけません。

 

にも関わらず、医療現場では被ばく管理が徹底されないという問題が起きています。

 

ここで私が問題だと思うのは、自ら掲げた放射線障害予防規程の内容を医療現場が何故守っていないのかということです。それを守れていない医療機関は、この「医療現場での被ばく管理の問題点」シリーズのその1その2で書いた通り、少数ではなく、相当数の医療機関にのぼることが大問題なのです。

 

何故守れないのかは、前回その3で書いたとおり、医師である放射線取扱主任者の機能不全が原因の一つです。

 

あ~、またここに戻るんですね。自分で書いていて何だか少しイライラします。この問題は考えれば考えるほど根が深いな~と思います。

 

ということで、やはり、「医療現場における放射線取扱主任者の在り方の改革」が必要となってくるのですね。

 

ということで今回はここまで。

 

もっと書こうと思えば書けることは満載なのですが、「医療現場における放射線取扱主任者の在り方の改革」はここまでとします。

 

次回は安全文化の構築について書いてみたいと思います。

 

 

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