電離則/再勉強/迷宮編 その④
これまで何度か改正電離則の内容をおさらいしましたが、今回、どうしても気になることがあって再度勉強することにしました。その勉強したい内容は以下の通りです。
- X線装置の定義は?(ある一定以上の条件があったような・・・それは何だったかな?)⇒前回記事で解決っ!!
- 管理区域の要件は?(管理区域を設けなくてよい条件があったような・・・)⇒前回記事で解決っ!!
- 作業主任者の選任要件は?(選任しなくても良い除外規定があったような・・・)⇒未解決
前回記事で作業主任者の選任要件について以下の通りであることを調べました。
エックス線作業として作業主任者を選任すべき作業は、法別表第二第一号および第三号で放射線業務として定義されている「エツクス線装置の使用又はエツクス線の発生を伴う当該装置の検査の業務」および「エツクス線管若しくはケノトロンのガス抜き又はエツクス線の発生を伴うこれらの検査の業務」(ただし、令第6条第5項の除外規定により「医療用又は波高値による定格管電圧が千キロボルト以上のエツクス線を発生させる装置(同表第二号の装置を除く。以下「エツクス線装置」という。)を使用するものを除く。)」)については、法第14条の規定により作業主任者の選任が必要であり、その選任は、則第46条の規定により「事業者は、エツクス線作業主任者免許を受けた者のうちから、管理区域ごとに、エツクス線作業主任者を選任しなければならない。」と規定されている訳です。
今回は、この続きとして、「作業主任者を選任しなくても良い除外規定」について調べた結果をアウトプットしたいと思います。
作業主任者を選任しなくても良い除外規定は?
前回も申し上げたのですが、今回私が知りたかったエックス線の作業主任者の選任要件というのは、電離則第46条の規定にあるような一般的な選任要件ではなくて、選任しなくても良い除外規定がどこかにあったような気がするので、それを調べるのが今回の目的になります。
そこで、再度電離則第46条のエツクス線作業主任者の選任の規定を改めて見てみたいと思います。
(エツクス線作業主任者の選任)
第四十六条 事業者は、令第六条第五号に掲げる作業については、エツクス線作業主任者免許を受けた者のうちから、管理区域ごとに、エツクス線作業主任者を選任しなければならない。
これも前回記事で触れましたが、この条文を見る限りにおいては、本文のみでただし書きがないように見えます。ですから、除外規定が無いように見えますよね。ですが、上記のピンク字の記載にある通り、「管理区域ごとに、エツクス線作業主任者を選任しなければならない。」の部分が曲者です。つまり、「管理区域ごとに」というのがポイントなのですね。
先にネタばらしをしますと、「管理区域ごとに、エツクス線作業主任者を選任しなければならない。」なので「管理区域がなければ、エツクス線作業主任者の選任は不要」と読める訳です。つまり、「管理区域ごとに」が条件となっており、それが言い換えると除外規定になっていたと言える訳です。
これが今回知りたかったことなので、はい、解決っ!! と言いたいところです。しかし、ここで納得しないのが私です。「エックス線装置があるのに管理区域がないってどういうこと?」というのが今回の私の疑問に繋がるのです。
これこそが前々回記事である「管理区域の要件は?(管理区域を設けなくてよい条件があったような・・・)」で調べたことなのです。
つまり、則第15条の規定から、「エックス線装置の外側における外部放射線による一センチメートル線量当量率が二十マイクロシーベルト毎時を超えないように遮へいされた構造の放射線装置を設置する場合には放射線装置室は不要。すなわち、インターロック等でエックス装置外部にエックス線が漏洩しないようになっているエックス線装置であれば放射線装置室は要らない」ということを調べました。
このことは、「放射線装置室が不要なエックス線装置については、エックス線装置の外側は管理区域ではないが、装置内部は管理区域であり、そこには立ち入らせてはならない」と解釈できることも示しました。
そして、このことを管理区域に絡めて解釈すると「エックス線装置の外側における外部放射線による一センチメートル線量当量率が二十マイクロシーベルト毎時を超えないように遮へいされた構造のエックス線装置内は管理区域であるが、装置外は管理区域ではない」となります。
以上のことを整理すると以下の通りとなります。
エツクス線作業主任者の選任においては、管理区域が無ければ、エツクス線作業主任者の選任は不要である。則第15条の規定によりエックス線装置の外側における外部放射線による一センチメートル線量当量率が二十マイクロシーベルト毎時を超えないように遮へいされた構造のエックス線装置では、その外側は管理区域ではないため、そのような装置の場合には、管理区域内部には容易に立入りができないため、実質、人が立入る管理区域は存在せず、そのような装置ではエックス線作業主任者は選任しなくて良い、となります。
以上の作業主任者の選任の除外規定と前回記事で調べた作業主任者の選任要件を足し合わせると最終的には以下の通りとなります。
作業主任者の選任要件
エックス線作業として作業主任者を選任すべき作業は、法別表第二第一号および第三号で放射線業務として定義されている「エツクス線装置の使用又はエツクス線の発生を伴う当該装置の検査の業務」および「エツクス線管若しくはケノトロンのガス抜き又はエツクス線の発生を伴うこれらの検査の業務」(ただし、令第6条第5項の除外規定により「医療用又は波高値による定格管電圧が千キロボルト以上のエツクス線を発生させる装置(同表第二号の装置を除く。以下「エツクス線装置」という。)を使用するものを除く。)」)については、法第14条の規定により作業主任者の選任が必要であり、その選任は、則第46条の規定により「事業者は、エツクス線作業主任者免許を受けた者のうちから、管理区域ごとに、エツクス線作業主任者を選任しなければならない。」と規定されている訳です。
作業主任者を選任しなくても良い除外規定
そして、エツクス線作業主任者の選任においては、管理区域が無ければ、エツクス線作業主任者の選任は不要である。則第15条の規定によりエックス線装置の外側における外部放射線による一センチメートル線量当量率が二十マイクロシーベルト毎時を超えないように遮へいされた構造のエックス線装置では、その外側は管理区域ではないため、そのような装置の場合には、管理区域内部には容易に立入りができないため、実質、人が立入る管理区域は存在せず、そのような装置ではエックス線作業主任者は選任しなくて良い、となります。
このことを調べるだけでも時間がかかりました・・・。私がお馬鹿だからでしょうか・・・。
ということで、作業主任者の選任要件は?も解決しましたっ!!
今日はここまで。
次回は、ついに迷宮編をお届けしたいと思います。
おっ楽しみに~!!