化学物質管理専門家の要件 06

数回シリーズで、化学物質管理専門家の要件をおさらいしています。

 

既にお示しした通り、専門家告示により示された化学物質管理専門家の要件は以下の通りです。

 

① 労働衛生コンサルタント試験(試験の区分が労働衛生工学であるものに限る)に合格し、登録を受けた者で、5 年以上、化学物質の管理に係る業務(粉じん則の適⽤除外の際には粉じんの管理に係る業務)に従事した経験を有するもの

② 衛⽣⼯学衛⽣管理者免許を受けた者で、その後 8 年以上、衛⽣⼯学衛⽣管理者の業務に従事した経験を有するもの

③ 作業環境測定士で、6 年以上作業環境測定士としてその業務に従事した経験を有し、かつ、厚⽣労働省労働基準局⻑が定める講習を修了したもの

④ ①から③までに掲げる者と同等以上の能⼒を有すると認められる者

 

前回記事は要件②について深堀しました。

 

今回は要件③について深堀してみたいと思います。

 

要件③は作業環境測定士の専門家要件を記載したものですが、残念ながら、過去記事の化学物質管理専門家の要件03で取り上げた専門家告示の通達(解釈例規)には要件③についての直接的な記載がありません。つまり、要件③は「読んで字の如くじゃっ」という訳ですね。

 

ただ、これだと芸が無いので、例の如く、過去記事の化学物質管理専門家の要件04で取り上げた専門家告示の同パブコメ(*1)が参考になります。

 

*1:「「労働安全衛生規則第三十四条の二の十第二項、有機溶剤中毒予防規則第四条の二第一項第一号、鉛中毒予防規則第三条の二第一項第一号及び特定化学物質障害予防規則第二条の三第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める者(案)」及び「粉じん障害防止規則第三条の二第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める者(案)」に関する意見募集について」に対して寄せられた御意見について

 

同パブコメの番号1および5の「御意見に対する考え方」にその見解があるので以下に抜粋します。

 

番号1

(前略)

作業環境測定士については、試験科目の「労働衛生一般」の中に、有害要因の人体への影響が含まれており、講習科目の「労働衛生管理の実務」の中に、有害物の体内侵入の形態、有害物の量に関する指標、労働環境管理の進め方などが含まれています。また、作業環境測定結果を通知する際、作業環境の改善についても指導するケースが多いことから、実務経験により、作業環境管理の知識を一定程度蓄えることは可能であると考えています。しかし、リスクアセスメント等については追加の教育が必要と考えますので、御意見を踏まえて、8年以上その実務に従事した経験を有するものから、6年以上その実務に従事した経験を有するとともに、厚生労働省労働基準局長が定める講習を修了したものであることを要件とするよう、修正いたします。

 

番号5

(前略)

作業環境測定士については、第1種、第2種を問わず、試験科目の「労働衛生一般」の中に、有害要因の人体への影響が含まれており、講習科目の「労働衛生管理の実務」の中に、有害物の体内侵入の形態、有害物の量に関する指標、労働環境管理の進め方などが含まれています。また、作業環境測定結果を通知する際、作業環境の改善についても指導するケースが多いことから、実務経験により、作業環境管理の知識を蓄えることは可能であると考えています。なお、御意見を踏まえ、リスクアセスメント等については追加の教育が必要と考えますので、作業環境測定士として8年以上その実務に従事した経験を有するものという資格要件を改め、6年以上その実務に従事した経験を有するとともに、厚生労働省労働基準局長が定める講習を修了したものであることを要件といたします。

 

要件③にある「厚⽣労働省労働基準局⻑が定める講習を修了」しなければならない理由が上記抜粋に記載されていますね。ご確認下さい。

 

そして、その講習については通達(基発 0106 第2号、令和5年1月6日)が出ており、ここでは講習機関の要件、受講、資格、講師、講習の内容等について記載されていますので、ご興味のある方はご確認下さいませませ(さださん風、分かる方だけでいいですよ~、昭和のお馬鹿な私なので・・・)。

 

次回から要件④を深堀りしたいと思います。ここからが本番ですよ~。

 

ということで、今日はここまで。

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