ラグビーワールドカップ2023/決勝トーナメントを終えての総括
管理人・采々です。
今回は、管理人・采々の大好きなラグビーの話です!
ラグビーワールドカップ2023開催を記念して、これまで4つの記事を書いてきました。ワールドカップ開催を前にしてのその1,その2,その3と、決勝トーナメントを前にしての記事です。
今回は、決勝トーナメントが終了したので大会の総括をしつつ、管理人・采々のラグビー愛を語ってみたいと思います。労働衛生には何ら関係ありません(汗)。ご了承下さいませ。
決勝トーナメントを振り返って
決勝トーナメント前に書いたブログ記事で優勝チーム予想をしました。この時の管理人・采々の予想は以下の通りでした。
本命:スプリングボクス
対応:オールブラックス
ダークホース:ウェールズ
優勝、準優勝チームは結果的に当たりましたが、実は内心、スプリングボクスとオールブラックスが準々決勝で敗退する可能性もあると思っていました。なぜなら、対戦相手のフランスとアイルランドは若手中心のチーム作りに成功しており、ワールドカップイヤーに向けて力をつけてきたからです。特にフランスは8年計画でチームを作り上げており、今大会での飛躍が期待されていました。
しかし、準々決勝の試合を見てみると、やはりスプリングボクスとオールブラックスの経験と実力が上回っていました。どちらも僅差で勝利しましたが、その差は過去優勝経験の有無という歴史の重みだったと感じます。ラグビーは選手の代替わりや若返りが必要ですが、それだけではなく、優勝の味を知っているチームカルチャーやメンタリティも重要な要素だと改めて感じました。
どんなにこの日のために準備をしてきていても、勝負処の後半では、どうしても経験の差が出てしまいます。そこに、優勝の味を知っている関係者が多い方が有利に働いたと管理人・采々は思うのです。
特にアイルランドに関しては、セクストンのパフォーマンスが悪かったように思いました。過去もそうだったように、ワールドカップのように負けたら終わりという一発勝負で何故だか勝負弱さが出てしまうんですよね、セクストンは・・・。本当に残念でした。
イングランドのラグビーについて
今大会、最も管理人・采々の心に刺さったこと、それは、「イングランドのラグビー」です。「イングランド」というチームではなく、「イングランドのラグビー」です。
彼らのラグビーを120%象徴した試合がありました。準決勝のスプリングボクスvsイングランドです。管理人・采々の今大会ナンバーワンゲームです。
実は、大会前のイングランドに対する管理人・采々の評価はとても低かったです。昨年からどうもチームがうまく機能せず、HCのE・ジョーンズの解任、その後のテストマッチの成績が振るわずの状態で今大会を迎えていたからです。
しかし、それは「イングランド」というチームへの評価であって、「イングランドのラグビー」は決して死んでいなかったことが今大会で証明されました。
そのことを体現するかの如く、予選プール初戦の対アルゼンチン戦では、キャプテンのSOファレルを直前のテストマッチでのレッドカードで欠く中、キックのみで無難に乗り切りきります。その後も、試合巧者ぶりを如何なく発揮して順当に予選プールDを無傷で勝ち進み、準々決勝も接戦を制し、準決勝へ駒を進めたのです。
ここまでの戦いぶりを観て、「おやっ、もしや」とも思ったのです。しかし、準決勝の対スプリングボクス戦は流石にトリプルスコアで負けと予想しつつも、イングランドに万が一勝つシナリオがあるとしたら、「雨」「キッキングゲーム」という2つのキーワードが思い浮かんだのです。それでも、スプリングボクスが自由にさせてくれない、無理無理と戦前の予想をしました。
しかし、いざ試合が始まってみると、まさに「雨を味方に付けた上での、イングランドのフォーマットの一つであるキッキングゲーム」が展開され、見事にはまってしまったのです。
前半が終わって、多くのスプリングボクスファンは苛立ちを覚えたと思います。一方、イングランドファンは手ごたえを感じていたはずです。
その試合展開のまま後半52分のファレルのドロップゴールが決まったところで、勝負あったと思いました。後半77分までリードしながらも最後は逆転されてイングランドは敗れてしまったものの、試合が終わっても、スプリングボクスファンは勝った感覚は無かったと思います。一方のイングランドファンも負けたとは思っていなかったはずです。俗にいう「勝負に勝って、試合に負けた」という感じでした。
この時「イングランドのラグビー」の凄さを改めて実感しました。本当に強いチームと言うのはこういうラグビーができる引出しを持っていて、こんな大舞台でやってのけるチームなのだということを・・・。スプリングボクスはかろうじて勝利を手にしたものの、みんなが「イングランドのラグビー」の術中にはまってしまったせいか、勝利の喜びというより安堵した雰囲気だったのが印象的でした。ちなみに、イングランドは北半球のチームとして唯一ワールドカップで優勝経験があり、優勝の味を知っています。
もう一点、触れておきたいのは、この試合でスプリングボクスが何で勝てたのか?ということです。
私は、後半52分のファレルのドロップゴールで勝負あったと思ったのですが、その後にこの試合の潮目の変わるプレーがあったと感じました。それは後半64分のWTBのコルビの突進プレーです。コルビは言わずと知れた俊足ウィングで彼の特徴の一つはトップスピードでもステップで相手をかわせることです。しかし、この場面でコルビは何と相手に向かって一直線に突っ込みました。当然タックルを受けたのですが、真正面から当たって砕けた玉砕プレーは味方を鼓舞したと思います。これが一種の起点になって味方が奮起したと管理人・采々はみました。
敗れはしたものの、ラグビー発祥の地であるイングランドで、200年のラグビーの歴史を紡いで築かれた「イングランドのラグビー」は、決して侮ってはいけないことを今回学びました。ありがとう「イングランドのラグビー」、そして、それを体現してくれた「イングランド」チームにも感謝、感謝です!
そして、この試合を別の角度から見ると、レフェリーを如何に自チームに有利に巻き込むかの試合前の戦略、試合中の駆け引きが両チームで盛んに行われていたことを感じました。「雨」「キッキングゲーム」で、縦の展開が中心となり、横への展開がほとんどない中では、スクラムと相手陣でのファウルがキーポイントになります。そして、スクラム、ラインアウトでのレフェリングで如何に自国への印象付けを行うかが、映像を観る限り盛んに繰り広げられていたように見受けられました。日本ではほとんど報道されませんでしたが、この日のB.オキーフ主審のレフェリングは今でも尾を引いているようです。オキーフさんは、このところ、テストマッチで良く見かけるのですが、ワールドカップの準決勝以上を裁くのは初めてだったようです。そのこともあってか、両国共にオキーフさんとのコミュニケーション合戦でも押したり引いたりがここでも繰り広げられていたと想像します。
ラグビーとは強豪国の中では、レフェリーならずも、ファンやメディアを巻き込んだ良くも悪くも大変な熱気の中で行われる競技だということですね。残念ながら、日本ではここまでのラグビー文化は醸成されていません。
大会の総括
今大会を振り返ると「北半球チームの底上げ」「上半身への危険なタックルへの厳罰化」「イングランドのラグビーの凄さ」が管理人・采々の中で印象に残りました。
それと、ファン目線と言うと、スプリングボクスで推しの選手であるLOのエツベスの元気でファイト溢れる姿を観られて良かったですし、サプライズは大好きなNo8のフェルミューレンの雄姿をたくさん観ることができたことです。
現在37歳のフェルミューレンは、ワールドカップイヤーを睨んだ昨年のテストマッチからほとんど代表に選出されていませんでした。私の知る限り、今春のテストマッチまでで1試合しか出場していなかったはずです。代わってNo8を若手のヴィザが務めていたので、今大会は代表漏れかなと思っていたのですが、何とか選出されて、大会が始まってみると、フェルミューレンの出場機会の多さに驚きました。ヴィザのコンディションの問題があったのかもしれません。
プレー以外で面白かったのは、予選プール第2戦の対ルーマニア戦です。この試合はスプリングボクスにとっては消化試合的な位置づけでしたが、フェルミューレンが何とスタッフ席に座ってヘッドセットを被り指示を出している光景が度々カメラに映りました!今大会で代表引退らしいので、近い将来のフロント入りは間違いない!と確信した管理人・采々でした。
その後も、要所で縁の下の力持ち的な活躍を見せてくれました。お疲れ様、Mrフェルミューレン!
大体言いたいことは言ったので、管理人・采々の独演会はここまでとさせていただきます。ここまで読んでいただいた物好きな方はほとんどいないと思いますが、単なるラグビー好きの管理人・采々によるワールドカップを終えてのアウトプットにお付き合いいただき感謝です。
ということで、今日はここまで。