高血圧と労働衛生 02

「高血圧と労働衛生」というテーマで勉強してインプットしたことをアウトプットしてみたいと思います。

 

前回記事では、なぜ「高血圧と労働衛生」というテーマを選んだのかを説明しました。簡単に申し上げると、ここ最近高血圧と無縁だった私自身に高血圧を示唆する所見が現れたこと、定期健康診断での有所見率として高い疾病の中に血圧が入っていること、血圧を測る行為は作業環境測定と同じことだと思ったこと、この切り口で考えると保健衛生分野の労働衛生の勉強ができるではと思い至ったことでした。

 

今回は、高血圧が労働衛生とどのような接点があるか調べてみたので、その一部をアウトプットしたいと思います。

 

まず、高血圧と労働衛生と聞いて、真っ先に思い浮かぶのが定期健康診断での産業医の業務です。そこで、「産業医の職務Q&A第10版」(産業医学振興財団)で調べたいくつかの事例を挙げてみたいと思います。当該書籍は購入書籍一覧にも掲載しておりますので、ご参考まで。

 

まず、深夜勤務と高血圧の関係です。

 

高血圧患者では夜勤業務における心拍数、血圧変動が大きく、深夜勤従事において心血管系疾患の発生するリスクの増加が示唆されているそうです。従って、交代・深夜業務は、血圧、HDLコレステロールの変化に影響があり、個々の労働者についての影響の有無の評価ができれば有用だとの見解が示されています。

 

これは分かっている事象について、適切な対処をその専門家である産業医が行うということで、とてもよく分かる事例ですね。

 

ただ、なぜ、高血圧患者では夜勤業務における心拍数、血圧変動が大きくなるのかが個人的にはうまく理解できていないため今後調べてみたいと思います。

 

次に過重労働と高血圧の関係です。

 

過労死は、過重な労働負担が誘因となって高血圧や動脈硬化などの基礎疾患が悪化し、脳血管疾患や虚血性心疾患、虚血性心不全などを発症したものを言います。現在、血管疾患を介さないで過労のみによって人が死亡することは通常有り得ないと考えられているそうです。

 

その過労死の原因の一つに職場のストレス要因が挙げられます。その中には長時間労働、種々の就業態様などが挙げられます。特に労働時間では一日12時間以上が続くと頻度は増加するとの報告が多くあるようです。

 

就業態様の変化では高血圧や心臓死が1.5~2倍位増えるとされているようです。このことは、上述の深夜勤務と高血圧の関係とも一致しますね。

 

就業態様の変化については、一般的に総実労働時間は減少傾向にあるものの、一部の者の月の残業時間が100時間を超えるような事業所が存在すること、健康管理が十分行き届きにくい派遣労働や変形労働や裁量労働が増えている実態があります。

 

また、働く者の持病として、特に高血圧、糖尿病、心臓病の持病を持つ者の割合増えているようです。

 

つまり、過重労働と高血圧を一因とする脳・心臓疾患とは、職場のストレスや就業態様の変化などと密接に結びついているということのようです。

 

ということで、今日はここまで。

 

当該テーマについては散発的な投稿になると思いますが、宜しくお願いします。

 

 

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